ヴラド・ドラクラ4巻、発売おめでとう!

アニメ・漫画手描きアニメ,ヴラド・ドラクラ

単行本発売記念で久しぶりにAviUtlをいじって手描き動画を作りました!
再生すると音楽が鳴りますので気をつけて!でもオスマン帝国外伝の音楽は最高!!
そう、元ネタはいつものオスマン帝国外伝、シーズン3からのオープニングです。
あのオープニングでめっちゃ一番好きなの、剣の上を走るお馬ちゃんなんですが、そこに行くまでに力尽きました…時間もなくて……。ハルタのぬり絵企画も景品ハズレてしまったし計画狂いまくりで踏んだり蹴ったりだったが、まあキリのいいところまでは作れたから良し!
続きは…ラドゥが登場して来年の単行本発売のときまでに覚えていたら……?(ぜってえ忘れてるぞ)
動画でほとんど見えなくなっちゃったけど、二人の後ろ姿シーンを一番気合い入れて描いたので、ぜひ静止画でじっくり見てってくれよな!

世界を革命する力を!!なメフヴラが大好きです。
1453はもちろんコンスタンティノープルの陥落、1459はヴラドの貴族串刺し事件です。
この二人、一度王位を追われて二度目の即位してから3年以内にはどちらも革命を起こしているので、本当に似た者同士というか魂の双子なんか???と言いたくなります。だからお互い一番の理解者になれたと思うんですが、君主として矜持が許さなかったところが本当にカッコいいんですよね。そこがほんと大好き。推せる。

ところで、いつもハルタ買っている本屋で4巻を買おうとしたら、ハルタ新刊の山にヴラド・ドラクラだけピンポイントで置いてなくて息が一瞬止まりかけましたね!
ななななんで…私あれだけアンケにこの本屋で買ったアッピルしてんのにウソでしょうモナミ……と何故か内心ポワロさんになりながらガクブルと在庫検索したら普通にあったので、ヘイスティングスー!!と店員さんに尋ねたら何故か違う場所の新刊棚にわざわざ隔離して置いてあったっていう。
多分…山積む分の量は入ってきてなかったんでしょうね……なにせ田舎ですからな!!
というわけで無事に心臓バクバクさせながら買えました(無事なのかそれは?)

裏表紙にもうメフメトが3巻で登場しているので、今回は誰かと思いましたがトルコ兵たちでしたね!
イェニチェリではない普通の歩兵たちで渋いところを突いたな~と思いました。

4巻感想

特別描き下ろし

 メフメトの描き下ろし番外漫画があるーー!!!?!?!?

 ちょ…ハルタ編集部Twitter担当さんよ……
 そういうところをもっとアピールすべきでは!!?????

 今回はオマケ描き下ろしはなしか…と思っていたので、完全なる不意打ちでした。
 おお…メフメトくんのあの可哀想な幼少期を大窪先生がまさか描いてくれるとは!めっちゃ嬉しい!!
 もう完全無欠なパーディシャーで通すのかと思っていたが、やっぱりこの幼少期エピソードを知っているか知っていないかで大きく印象が変わる人物なので、『ヴラド・ドラクラ』の読者も知ってくれて嬉しいです。
 しかしヴラド三世が主人公の漫画なのだからオマケ描き下ろし漫画はヴラドの逸話しか描かれないと思いこんでいたので本当に驚きでした。やっぱり「おーい!メフメトファンなら!!ここにいるぞ!!!!」とアンケでアッピルし続けた甲斐があったのでしょうか。
 つまり皆さんも軽率にアンケを出して推しの新規エピソードを獲得しましょう!
 私も単行本アンケに「大窪先生めちゃめちゃありがとうございました」と書きます!!でも今回の「オススメの世界民族伝統料理は?」がベリーハードすぎる質問で詰みそうです!!
 み…みそしる……?(愛国者回答)

 それで肝心のメフメト描き下ろし漫画の感想ですが……
 ママであるヒュマ・ハトゥンのデザイン可愛くて気に入りました!
 ネトフリ版『皇帝たちの夜明け』のヒュマも大好きだけど、史実メフメトって確か茶髪っぽいので、大窪先生のヒュマは茶髪っぽくていいなあと思いました。いやモノクロだから勝手にトーンからイメージしてるだけなのですが、ヒュッレムも赤毛だしアルルも茶髪だし、わたし茶髪女子大好き~~。
 そしてメフメトとヒュマはおそらくこれが最後の別れになったんですよね…そら聖母マリアに惹かれるようになって当然だわな……
 そしてもうひとりのママであるセルビア王女マラは出てきませんでしたね。まあややこしくなるからな。気になる人はネトフリの『皇帝たちの夜明け』を見よう!

 それで今ドラクラ友達からオススメされた『オスマン朝宮殿の建築史』という本を読んでいて、自分用メモも兼ねてついでに書くのですが、一般的にメフメト二世は当時の首都エディルネで生まれたとされているのですが、この本ではエディルネより少し離れたディメトカの要塞宮殿で生まれた説もあるんだそうです。
 ちなみにメフメト二世と嫁ギュルバハルの最初の息子バヤジットも、このディメトカで生まれているそう。
 とにかくこの時代のスルタンは遊牧民族の血がまだ騒いでいるから移動せずにはいられないので、戦争なくて暇な時期である冬は首都から離れた街に滞在することが多かったらしいんですね。そんな別荘的なところにハレムの女性たちは隔離されて住んでいたから、という説です。実際メフメトも姉妹の面会にディメトカを訪れているので、私はディメトカ説のほうがありえそうだなと思いました。まあでも普段はエディルネにいるのでエディルネ説ももちろん十分にありえる話です。
 と言った感じにこの『オスマン朝宮殿の建築史』、最新の研究が反映されているので、めちゃくちゃ面白いです!さすが7200円もする本だ!!特にメフメト好きは絶対に読むべき本です!!オススメしてくれた友人にめっちゃ感謝!!

 そして親父、ムラト二世。なんと糸目オジサマで笑ってしまった。
 ムラトは晩年隠遁生活を希望している部分に着目すればわりと穏健派スルタンな印象を持つが、4人の皇子たちの血を争う骨肉の争いに勝利した人物なので決して穏やかな人物ではない。兄弟殺しをやりつくしたスルタンだ。その延長でコンスタンティノープル包囲も行っている。
 そんな彼のお気に入りは長男(2月20日訂正:本当は次男らしいです…)兄アラエッティンで、三男メフメトは母親と共に捨て置かれていたわけですが、長男次男が謀殺?された結果、運良く継承権を持つただひとりの男子に。しかしムラトとメフメトの親子関係は冷えきっており、世話役である大宰相チャンダルル・ハリル・パシャとも相性が悪かったせいか、漫画の通り、親父の復位と共にメフメトはマニサに追放されることになりました。
 この件に関しては「はよ引退したーい!」と無理に押し通したムラトが一番勝手過ぎる気がします。メフメトまだ12歳やぞ。無理に決まってんだろ。そしてほぼハリル・パシャの責任な気がするのだが、彼は特にお咎めも降格もなしなので、貧乏くじを引いたメフメトが恨むに決まっている。後に用済みとなった途端に即行処刑したのは無理もない。

 ということで、人質時代のヴラドが出会ったのはこのように左遷されたばかりのメフメトということになるんですね。だから「それにしては明るすぎんなおまえ~~!!」って感想がどうしても出てきますね!
 クサクサしている期間を過ぎ去った後に出会ったのかもしれません。それか、それ以上にヴラドがお通夜だったからか…。人間、なんかテンションがあまりにも違う相手を前にすると逆に冷静になるものな。うん、漫画のメフメトは明るくてよかったな!
 でもまあそんな感じで愛情を注がれて育ったとは到底言えない環境で彼は幼少期をやり過ごしていたので、その結果、18回も征服に乗り出す立派なサイコパス征服マシーンになったというわけでした。やっぱ人間、幼少期にいかに愛を注がれるかで人格が決まる気がすんだよなあ……(タニス・リー先生論)
 ヴラドに友人として愛されていれば多少はマシになったかな?(その前に人質時代メフヴラは幻覚なんだが???)

 後半は人質のヴラドが去った後のメフメトが描かれているわけですが、衣装がオスマン帝国外伝みたいな作りのデザイン着てて地味に嬉しいっすね~~。オスマン帝国外伝の衣装、ほんと華やかで好き。
 イェニチェリ隊長の根回し云々話している部下、もしかしてザガノス・パシャかな?
 イェニチェリと言えば、『オスマン朝宮殿の建築史』によれば、メフメトは二度目の即位したときにイェニチェリ隊長が図々しくお給料アップをせびったらしく、さすがに首飛ばしてました。「ですよね!」と笑った。すでに辛酸なめてるからなあ。それで面白いのが、その後もメフメトとイェニチェリの微妙に緊張した関係は続いていたところで、週に何回もイェニチェリ軍団と顔を合わせるどころかイスタンブールを離れている期間も追いかけてくるのがあまりにもストレスだったらしく、彼らとの謁見儀礼を意地でも廃止していたメフメトくんにめっちゃ笑ってしまった。持ちつ持たれつな主従ですが、もうメフメト二世の時点で非常にストレスフルな存在だったんですねえイェニチェリ。

 そして親父の死を快活に笑い飛ばして「余を愛する者は続け!」と即位したメフメト。
 あまりにもいい笑顔すぎる……多分人生で一番いい笑顔なんじゃないか?これ。ムラトぇ……。
 最近ムラトはムラトなりに息子を愛していた派に傾きつつあったのですが、その愛情表現が毒親という意見は変わらず異議なし!!そして余計に親子関係を拗らせたチャンダルル・ハリル・パシャを恨むんだな!!
 そしてもしここにヴラドがそのまま残っていたら、はたして素直に後に続いたのか考えると楽しい。
 あとさすがに異母兄弟殺しはカットしてありましたね!まあラドゥが出てきたらそのとき本編で掘り下げられるかもしれません。ここは二次創作、絶対にせんとこ!
 いや本当にメフメトの過去エピソードはもう絶対に描かれないだろうなあ…とメフヴラ小説で好き放題に書いてしまったが、先生のネタ潰しになってしまっていたら申し訳ない気持ちでいっぱいです。
 歴史ジャンルは『ヴラド・ドラクラ』が初めてなので、ジャンル柄の配慮の仕方がいまいちよくわかっていません…。あとついでに白状すると歴史上人物でホモを楽しむことに抵抗がないわけがないのですが、言うてメフメトは聖職者男に出したラブレターも残っているし?ヴラドはオスマンでバージン失っているらしいし?と思うと、まあ…いいか……となっちゃいます。へへっ☆(笑って誤魔化すな)

 あと最後のほうに、小冊子のオマケ漫画が収録されていましたね。
 よかった、正直闇市で買おうか最近めっちゃ迷っていたところだった!!
 やっぱりヴラドと言えばドラキュラと切っても切り離せないので、お城について書いていましたね。まあブラン城は実際全然関係ないというのは清水先生の本でも書いてありましたが、トゥルゴヴィシテの城も全然残ってないんですね。もったいないなあ。花屋敷か…副業庭師なメフメトくんが好きそうじゃん?まあ彼が実際見たのは肉塊の花だったわけだが……そんなトラウマシーンが楽しみですね!!

本編の感想

 ハルタ本誌派になったの収録2話目の攻防からなので、1話目の暗雲は初見でした。
 この記事では主にその感想を書きます。続きは過去感想記事を読んでください。

 オスマン帝国に先制攻撃をかけたマリアタ、超イケイケでかっこいいぜ!!
 冬は基本的に戦争しないオスマン、その隙を突いたと思われる。しかし凍ったドナウ川を渡るワラキア軍隊がかっこよすぎるな!

 そしてシュテファンとマーチャーシュがワラキアに援軍を送る約束をしていたわけですが、シュテファンくんはポーランド王国に阻まれ、マーチャーシュはメフメトの甘言に乗った結果に。
 シュテファンくんの意のままにならぬ悔しそうな顔と後ろ姿いいですね!小国は辛いなあ…でもマリアタはシュテファンとの友情は疑っていないので恨み節ひとつも吐かなくて従兄弟仲が尊い!
 そしてマーチャーシュとの橋渡し役にイロナさんがたくさん活躍されてましたが、その甲斐虚しくマーくんはメフメトの話に乗っちまって!まあ親父もそうしてコンスタンティノープル見捨てたから、そこは似たもの親子ですよね。でもイロナさんはそう思ってなさそう。彼女がマーくんと話しているシーンがいつか見たいが……。
 そしてメフメトがマーくんのこと「貴人」と言ったの、うまい言い回しだなあと思いました。
 しかしマーくんの判断が巡り巡ってスレイマン時代にああなると思うと、そこはどう考えていたんだろう実際のマーくん…。マーくんの考えていること、メフメト以上にわかりません!

 そしてメフメトは良い笑顔で「征くか!」なのであった。
 『オスマン朝宮殿の建築史』で征服地と冬の滞在先を表にまとめられていたのですが、コンスタンティノープルを征服させてからほぼ毎年征服に出かけている圧巻の表でして、コイツ…マジモンの征服マシーンだぜ……と改めてドン引き笑いました。『ヴラド・ドラクラ』ではヴラドが無理やり引き伸ばした1年間「こちらも準備してきた」とか言ってますが、その年も飽きずにトレビゾンド征服しに行ってるんだよなあ……。
 そんなメフメト、息子の割礼式のあった年とトプカプ宮殿完成直後はさすがに自重していたけれど、台所支出帳まで調査した歴史家によると、その年ですら牧地を駆け回っている有り様だったので、そらおまえ…身体ぶっ壊れるわなあ……と心底納得しました。もうちょっと自重してくれたらスレイマンくらい長生きしてくれたのかなあと思いましたが、長生きしすぎると息子たちに殺される可能性も出てくるから、まあなんだかんだ良い塩梅なときに人生を終えたのかもしれません。それにもう戦争しすぎてだいぶ火の車っぽかったしな!

 そしてストイカさんの最後の驚きカット。なぜかめっちゃ笑ってしまった。
 マリアタが基本的に戦略頭脳面を自分でやっちゃってるから、彼はその手足や聞き役になるしかないんですよね。そうわかっているので、マリアタと引き離された後の活躍、今からめっちゃ期待しています。

 あとはハルタで既に読んでいた回なので、主に修正部分とかを見つけて楽しんで読んでました。
 至高の国値札つけたまま回はともかく、他にも意外と大きく修正されてるんですね!
 メフヴラの見開きシーンとか両者とも顔がほぼ描き直し。メフメトが超憎たらしい顔してやがんぜ!?
 逆に修正されて残念だったのは、最後のオスマン歩兵に変装したページです。あのマリアタ、超美人だったのになあ…。まあ大窪先生的には表情がわかりにくい作画は漫画的によろしくないなと思って修正入れてるだろうことはわかるのでわかりますが。
 しかしイロナさんは逆の方向に結構修正入れられて、マリアタに同情的だった表情がどちらともつかない曖昧な表情に変更されている気がしました。この仮面夫婦の進展も結構気にして読んでいるのですが、もうタイムリミットが近いので…どうかな……。
 メフメトは基本的にあまり修正入れられてないので良かったです。特にメフメトしか出てこない回の作画、超好き。というか3巻のころよりイケメンになってますよね!?描き慣れてきた先生すばらしい。

 そしてなんとハルタ最新回がまさかの単行本未収録で驚く。
 あの引きで単行本組はまた1年待たされるのか…これはハルタ本誌派に鞍替え待ったなしだぜ!と思ったら慈悲を見せる構成でした。いやオスマン歩兵変装も結構良いフックだとは思うんですが、現在ハルタ本誌派が待たされているフックは更に強烈なんですよね!?ああもう待ちきれないよ!!3月が楽しみですね!!

【追記】容量節約のために動画はTwitterからのリンクに変更しました。

Posted by tiriw

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