今月のヴラド・ドラクラ

アニメ・漫画ヴラド・ドラクラ

久しぶりのヴラド・ドラクラでしたが、
ハルタが突然、発売して一週間も経ってる歴史雑誌に大窪晶与先生のインタビューがありますとお知らせしました。
もっと早く言って!!ハルタ本誌より先に他誌でインタビューとかそんなことあるのかよ!!と急いで本屋に『歴史街道』を買いに行きました。なぜなら楽天ブックスではもう売り切れだったから…。Amazonくんにはまだあるけど角折れ対策しないから絶交した。

インタビューは僅か3ページでしたが、メフヴラ民はめっちゃマストバイな内容でしたよ!

まさかの推しカプ公式解釈発言である
メフヴラは太陽と月!なんとすばらしい解釈じゃないですか!
月は太陽なくして輝けないから、メフメト無くしてヴラドの名声もあり得ない二人の関係性を見事に表している。
本当にわたしはそんなメフヴラというかヴラドの悲哀なところがとっても好きで、惹かれるんですよね。
原作者と解釈一致しすぎていて私のヴラド・ドラクラ信仰は今日もめっちゃハッピーです。ありがとうございます。

ところでスルタンが太陽に喩えられるのはオスマンポエムでもセオリーなのです。
マフムトさんもそんな詩を書いています。「鏡越しに貴方の顔を見つめていると、私の瞳は盲目となる。太陽を見つめて瞳が焼かれるが如く」と。

When I look at the mirror of your face, my eyes become bright
Just as they say that looking at the sun does harm to the eyes.

THEOHARIS STAVRIDES “THE SULTAN OF VEZIRS The Life and Times of the Ottoman Grand Vezir Mahmud Pasha Angelović (1453-1474)”, 2001, Brill

太陽をスルタンに、月を大宰相に、他の惑星も役職に喩えられて表現された文章は、今年出たトゥルスン・ベグの和訳本でもありましたね。オスマン帝国の文学人は天文学にも通じているんだなとすごく感心した思い出です。

興味がある方は、トゥルスン・ベグの本をぜひ読んでみてくだされ。
Brillのマフムト本はハードル高い本なので、私がドラクラに関係あるところはなるだけ書いていくようにしますよ!応援してね!

ヴラド・ドラクラ感想

 今月はなんと言ってもメフヴラ偽ラブレターがついに登場する回なので、メフヴラ友達ととっても盛り上がりながらワクワクして待ってました。
 しかしマリアタは既に檻にガシャーンされたところからスタート。
 やべえ水も滴る良い男になってやがる…えっちじゃん……と不安になりながらも、更に焼きゴテ入れられる寸前に止めてくれたマーチャーシュくんがサラッと読み上げてくれました。

「親愛なる皇帝陛下へ臣従の挨拶を送る。公座に戻り次第、お約束通りハンガリー侵攻の指揮を執りたい」

 そんなメフヴラ民じゃなくても誰でも書けるような文章で私らが満足するとでも〜〜!?
 マリアタが「出来の悪い偽造書です」と言ってましたが、本当にクオリティ低すぎて萎える〜〜!!せめて弟が偽造してくれや〜〜!!と地団駄踏みましたね。
 ラドゥくんならオスマン語も書けるしメフヴラのこともよく知ってるから精巧な偽造書が作れたというのに、どうしてそこまでの根回しは惜しむんですか!詰めが甘い!だからお前はダメなんだとメフメトに詰られてくれな!!
 しかし文面の作画にめちゃ困ったであろう大窪先生の書き方、本当に心中お察しします…。

 そんな逆転裁判チュートリアル不可避的ツッコミどころ満載な証拠品を裁判所に提出する気満々なマーチャーシュでしたが、えらいご機嫌でしたね。
 その顔!!もうくっそくっそとしか言えんかったですわ。
 親父に気に入られてたイケ好かない男をハメてやったぜワーイワーイな心情を隠しもしないマーチャーシュは、なんていうか幼いですよね。まごうことなきわかりやすいクソガキであった。しかしヴラドはそれでもわからないのか、「ラドゥと取引しましたね」とか言ってるし、イロナさんがいないとコイツらまともにコミュニケーションできないな本当に!!と絶望した。
 なんだかんだヴラドとマーチャーシュも和解していく筋書きなのかもしれない大窪先生ならと思ってましたが、これは自信がなくなりましたね。もうヴラドの中ではマーチャーシュは絶許リストに加えられただろうし、そうでないと同じ条件どころか高待遇していたメフメトのほうが許されないというのは可哀想な話ですよ。メフメトくんはマニサに来たヴラドにこれ以上ないくらい良い暮らしをさせてあげたし、無理やり改宗もさせなかった男なんやぞ。

 しかし、ヴラドの改宗の仕方、そうくるのかー!!と驚きましたね。
 てっきり再婚の際にカトリックに改宗すると予想してたんで、治外法権じゃ裁けないから無理やり改宗させるってそんな荒技には紳士なメフメトもビックリしてるだろうよ。
 イスラム教だと本人の同意なく無理やり改宗させるのは罪らしいんですけど、カトリックはどうなんですか?同じキリスト教内だから緩いのか?よくわかんないので識者の解説がほしいですね!まあヴラド擁護派のカトリック教皇の意図に反してマーチャーシュが結局めちゃくちゃやりたい放題してるのだけはよくわかるが!!
 とにかくオスマン帝国とは戦いたくないマーチャーシュの事情を多少知ってますが、漫画では今んとこ金は貰うだけ貰って何もしないただの事なかれ主義人間にしか描かれてないので、正直すげえムカつくという気持ちを抑えきれない。
 でも当時のマフムト・パシャがそんな嫌味の代弁してくれてるので、勘弁しといてやらあ!!
 やっぱりマフムトさん好き💖また出てきて💖

 しかしここまでマーチャーシュがひどい男だと、マリアタの中でメフメトが相対的に評価上がらないかなって本当に思いますね。
 牢屋に入れられて一回くらいは夢見てほしいものだ。メフメトのことを。それを懐かしいと思うにしろ悪夢と思うにしろ。

 そんな嘘つきマーチャーシュに騙されてイロナさんを偲び続けていたシラージ家の娘その2が出てきましたね。
 ジャスティナさん、白雪姫みたいなデザインだ!超好みだな!!
 おそらく彼女はヴラドの未来の嫁になってくれるキャラなので、ここまでシラージ家との繋がりが強い構成なら、お父様のミハイ・シラージの登場もほしくなってきましたよ。もう死んでるので無理ですけど。
 Brillマフムト本にはミハイ・シラージの悲劇的な運命についても書かれていました。というのもマフムト・パシャにはお兄さんがいたのですが、故郷セルビアでの動乱の際にハンガリー人によって捕虜とされてしまったのですね。家族思いなマフムトは兄を取り戻そうとした。そのとき捕虜交換としてオスマン側から候補に挙げられたのがミハイ・シラージだった。ミハイ・シラージがなぜオスマン側に捕まってしまったのかというと、マーチャーシュくんが内政の争いの際に見捨てたから…。そしてそのまま更に見捨てたので捕虜交換は失敗に終わり、シラージはイスタンブールで処刑されてしまったのですね……。ちなみにマフムトのお兄さんの方は、マフムトさんがヴェネツィアとか身柄拘束してたラグーザに脅迫じみた交渉で頑張ったので、なんだかんだ釈放されたらしくて結構長生きしましたね。
 つまりマーチャーシュくん最低じゃね???
 漫画でもヴライロについて最低な嘘つきだったと知ったジャスティナさんが、一家の仇であるオスマンとの戦いに消極的なマーチャーシュくんの味方するとは到底考えにくいので、マーチャーシュくんはこのままだとヴラドにまた新しいコンプレックスを抱く寂しい人になるかもしれませんね。
 しかしハンガリー陣営、イロナさんの存在感が本当にデカすぎるな。色々な縁を繋いできた彼女が死後もマリアタの編み物でジャスティナさんに繋がる流れは泣けてきましたよ。マリアタはマリアタでいつまでも上達しないのが、なお愛しい。ジャスティナさんに今度は習って上手くなるんだなあ、きっと…。

 そして今後の活躍が危ぶまれていたストイカさん。
 なんとかマリアタの監禁期間が1465年で止まったので、シュテファン陣営への派遣が決まりそうでめでたい!
 いやでもヒヤヒヤしましたよね。髭が全然生えんなマリアタは〜〜と笑っていたのに、一気に髭ボーボーだし髪の毛もすごいことになりましたよ。史実とかお父さまに似てるという感想も飛び越えて辛い御姿。思わずストイカさんも涙。
 しかしストイカさんに「待たせました」って言うマリアタ、めっちゃ優しくないですか!?待ったのはマリアタのほうだろうに……ストイカさんはもっと頑張って!!と私は思いましたよ。でもマリアタの命令がなくても動ける男だったらここまで信用もされていないだろうとも思うので、これはこれで正解なのかもしれないなと夜神月と魅上を思い出して思い直したのだった。めっちゃニッコリしてたマリアタに良かったねと思いました。
 でも無力なストイカさんは私がめっちゃ見たかった姿を全部やってくれたので素晴らしかったですよ。ああ忠犬ストイカさんがめっちゃキューンキューン鳴いている!かわいいなあ!!と大盛り上がりする性癖が捻じ曲がっている女、もちろん主君マリアタの可哀想なシーンも同樣に興奮しているのであった。

 いやでもほんと今月号のマリアタがえっちすぎてたまらんかったですよね…。
 水責めはアレに見えるし、四つん這いで振り向くシーンとかもう完全にアレ。
 なんかもうそれっぽいシーンのコマを切り貼りすると18禁同人誌が捏造できる自信がしますよ。やらないけど!!私は自分で描ける同人女だからね!!(マーチャーシュより最低な発言するな)

 やばい!こんな最低な闇の腐女子発言で感想を終わらせるわけにはいかない!!
 年代が1465年で止まった今回ですが、その頃のメフメトくんは何をしているか気になりませんか!?気になりますよね!!だから最後に書きます!!!

 1465年のメフメトは……なんと珍しく遠征してません!!
 征服マシーンのくせに!?そう、彼は征服マシーンだと思い込んでいるただの人間なので、流石に疲労困憊で体調を崩しました。食生活が贅沢の極みすぎて痛風疑惑もありました。なので完成したばかりのトプカプ宮殿を満喫したり、哲学の勉強をして大人しく過ごした年でした。まあそれでも領地を遊牧民族らしく駆け回ってるんだけどな。ちゃんと休めるときに休めよ。
 前年ではボスニア征服に出かけていたのでマーチャーシュくんと睨み合ったりもしました。でもマーチャーシュもメフメトも途中で帰ったので、結局マフムト・パシャが全部頑張った戦いになりました。冬だから嫌になったメフメトくんの代わりにめちゃくちゃ神頼みしながらも根性出して頑張ったマフムトさんの様子はトゥルスン本に書いてあります。本当に彼はSSR人材すぎます。バルカン諸国の運命は彼が決めているようなものよ。
 そんなマフムトさんですが1468年に陰謀に巻き込まれて一旦大宰相をクビになってしまいます。
 そこからマフムトと次男ムスタファ皇子の不和が始まりメフメトの地獄が密かに始まっているので、好かれてもいない漫画のラドゥくんのことなんかそれどころではないのでラドゥは詰んだも同然です。でもそんなラドゥくんが空気読まず泣きつきにいく日がメフメトの次の出番になることでしょう。楽しみですね!!

歴史街道インタビュー

 メフヴラ公式解釈、太陽と月についてはもう冒頭で書いたので、他の発言についても触れていきましょう。

 まず気になる参考文献については、ニコラエ・ストイチェスクの『ドラキュラ伯爵 ルーマニアにおける正しい史伝』が漫画の主なベースとなっているとのこと。この本が一番詳しい記述も多いので納得です。でも先生がおっしゃる通り、ヴラドの歴史本って全然ないんですよね…。トゥルスン・ベグやBrillマフムト本といったオスマン本の方が新たな情報を得られて補完しやすい始末。
 個人的にカルコンディラスについて詳しそうなのでカルコンディラスの一次資料も持ってそうだなと思ったんですが、3ページじゃそこまで踏み込んで聞いてくれないよね…。私もカルコンディラスの本を読んでみたいのだが、どの本を読めばいいのか全然わからなくて困っている。
 あと作画参考資料にルーマニア映画『ヴラド・ツェペシュ』を参考にしてるらしくて、見たくなりましたよ!
 古い映画だし見る手段がなさそうですが、検索したら映画レビューサイトがあったので読ませてもらいました。しかし作画参考資料ですからやはり実際に見てみないことには!しかしアルブとかラドゥとかちゃんと出てるあたりがさすが自国歴史映画なだけありますね〜!他の国だとカットされるものな、この二人は。

 あと塩野七生の『コンスタンティノープルの陥落』!
 大窪先生も好きとのことで、良かった!今まで厚かましくメフメトくれくれしてきた女なのでめっちゃ安心しましたね。元々トルコに興味があると暴露してくれたからには、トルサンことトゥルスンくんもいつか描いてくださいと新たなくれくれコールを自重できない(自重していたことなんてあったか?)
 しかしコンスタンティノープルの陥落をあんなにサックリ終わらせた先生の気持ちがめちゃくちゃわかる。塩野七生の小説が好きだからこそ、もう自分では書けないというか蛇足にしかならんよね的な思いがある。少なくとも私には。
 二次創作野郎が何言ってやがると思われるかもしれませんが、私の場合、公式だけで満足できる作品と公式の隙間を埋めたくなる作品ってあるんですよね。後者だと二次創作が捗ります。どちらも好きな作品であることに変わりはないし、より好き度が高いほど二次創作してるってわけでもないです。

 まあそんな話はさておき、先生はマリアタの魅力についても語ってましたね。
 不屈なところ…つまりやっぱり先生もヴラドのくっころ具合はノリノリで描いてるのか!!わかる〜〜!!今号のハルタがまさにそれですよね。筆がめっちゃ乗っていらっしゃると思いましたよ。
 何を考えてるかわからないミステリアスな人物にしたいという意図も好きですね。だからこそ言葉より行動で語るマリアタが私めっちゃ好きで…。
 でも私は腐女子の呪いも受けてるから全然読解力なくて、本当にマリアタが何を考えてるか未だにわからなくて寂しくなる時がたまにあります。だってもうマリアタに出会って三年くらい経つのに、彼がこんなに公座に拘っているのは矜持なのか名声のためなのか過去の復讐のためなのか、まるで当てをつけられてない。そしてメフメトのことも嫌いなのはわかってるけど、嫌いの種類が全然わからんから困るんですよね。それは汚名返上可能な嫌いなのかとか。
 でもそれだけ解釈の幅があるから読みがいがあって素晴らしい作品になっているヴラド・ドラクラはと本当に思います。

 あとストイカさんについても語ってくれて嬉しい!
 ストイカさん、名前と役職は史実ですが、半分オリキャラみたいなもの。でも彼は本当にいいキャラクターですよ。私何度でも言いますが、ヴラド・ドラクラで最初に好きだなと思ったのはメフヴラじゃなくて、2話のマリスト主従ですからね。この兄弟殺しで繋がった縁を、ラドゥと戦うシュテファン編で絶対に活かしてほしいな!!って本当に期待してます。先生の手腕の見せ所ですよね!!

 というわけで次回がとっても楽しみです!
 単行本も楽しみですよ!!11月はヴラドの誕生日もあるんで盛り上がっていきましょう!!

Posted by tiriw

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