Mehmed fatihler sultanı 1話感想

オスマン帝国メフメト二世

トルコがついに本気を出して征服王メフメト二世のドラマを作ったぞー!!
今週本国でも放送したばかりですがYoutubeで1話がマルっと見れます!
まあトルコ語なんだけどな!!しかも2時間40分!?劇場版かよ!!

私はメフメト二世の歴史知識はかなりあるほうで、オスマン帝国外伝で多少のフレーズは流石に聞き取れるようになっているので、ほぼ雰囲気理解ではあるものの、本当に素晴らしく作り込んであることがわかる面白いドラマでもう夢中で見てましたね。あっという間の3時間弱だったなあ。
ヴラド・ドラクラお友達と一緒に見たんですが、毎週リアタイ追っかけて見ようね!なんてはしゃいでしまいました。

とにかく冒頭の合戦シーンだけでも見ていただければお分かりになるであろう、
トルコ国営放送局制作だからか国の威信をかけて潤沢な予算で豪華に作ってあることがよくわかる。

メフメトがめちゃくちゃ強くてカッコいい!!最高!!しかもチョクギュゼルな俳優さんで何も文句がない!!
しかも『オスマン帝国外伝』ファンはお気づきになったでしょう、
あのスンビュルがチャンダルル・ハリル・パシャとしてネトフリに続いて同役再起用されているのである!!

反則技すぎるだろ!!でもあのスンビュル・ハリル・パシャを超えることなどできないよね…とか思っていたから正直よくやったとしか!!
とにかく完全にネトフリの『皇帝たちの夜明け』シリーズを殺す気できているスタッフ陣である。
いいんじゃないかな。最近配信していたアレクサンドロス大王もなかなか酷かったしね☆
やっぱ自国の英雄は自国資本で制作するのが一番だと思いました。
トルコ国民はいいなあ、日本は受信料とっておきながらどうする家康!?とかやってて悲しくなりますよね…今年の平安大河はまだまともで助かるが…

と言うわけで第一話の感想です。
トルコ語は勉強し始めたがほぼ雰囲気でしかわかってないヤツの歴オタゆえのゴリ押し理解感想なので、聞き取り間違いは色々あると思いますが、それでもよろしければゆっくり読んでいってね!!

メフメト

 1話でもう既にわかる、これは理想的なメフメト二世がきたな!!と。
 まず見た目がかなりいい!キービジュの髭を生やした姿がもう完璧にメフメト二世!!

 目力が強い俳優さんで、さらに演技には史実メフメト像の要と言っても過言ではない神経質さまで表現してくれている!!メフメト二世作品をかなり読んだり見たりした私ですが、触ったらキレるナイフのような神経質さはいつもオミットされがちで物足りなさをいつも覚えていたのですが、このドラマにはそれがある!!塩野七生小説に続く最高のメフメト像がようやくきたー!!とめちゃくちゃテンション上がりましたね。
 しかもあまりにも情けなさすぎたネトフリと違って、戦闘アクションがかなりできる俳優さんなのもポイント高くて、征服王に相応しい強さをもう既に思う存分見せつけてるのが素晴らしい!かっこいい!!剣に弓に投げ槍に体術にと12歳にして既にフィジカルすごすぎるだろ!!もちろん騎兵アタックもできるし、なんと長剣と短剣の合わせ技とかもしちゃう!!きゃ〜〜ファーティフつええええ!!と朝からめちゃ黄色い声を出しちゃったな。
 私は地味に最強厨なので、つよつよなメフメトはマストなのである。

 初陣でここまで強いスルタンぶりを見せつけていると、イェニチェリがなぜ不満を持ち反乱してしまうのか…ということになってしまうのですが、そこもうまく改変してあってこの脚本構成はかなり期待できる!!と私は感じましたね。
 メフメトといえば後に船の山越えなどの革新的な戦術を打ち出してくるスルタンですが、VSオルハンで本来ならば戦の後半に出してくるイェニチェリに突撃隊をやらせて従来のセオリー通りの戦いはしない、その片鱗を見せているという冒頭構成です。これで捨て駒にされたと感じたイェニチェリのヘイトを稼ぐこともできたので、たとえこのメフメトが12歳の子供に見えずとも、うまいこと史実のイェニチェリ反乱による強制退位の流れに持っていった。メフメトを必要以上に下げることもせず、子役を使わずに戦いに参加させることもできて、なおかつイェニチェリとの関係悪化も変わらずと、本当に素晴らしい改変脚本だと感心するスタートだった。

 あとこのメフメトは征服王的威厳ある怖い男なだけではなく、ちゃんと可愛いところもあるのがいいですね!
 エレニちゃんが見てないところではガン見してるくせに、エレニちゃんが視線を合わせようとするとフイっと視線そらして知らんふりしてる、このおぼこさは何!?Ne!?可愛すぎるんですけど!!
 この純情メフメトボーイほんとに好き💖と思うだけに、後に男女問わず圧倒的トロフィーワイフでハレム築き上げる男に見えなくて笑っちまう。エレニが本当に可愛い女優さんだから、これ以上の美女を呼べるかがこのドラマの勝負どころだ。というのも『オスマン帝国外伝』とかヒュッレム役のメルイェムさんが非の打ち所ない美女なおかげで、スレイマンの浮気パートがガチで崩壊しとったからな!というか史実が圧倒的スレヒュなんだからいらんパートすぎました!メフメトはその点浮気パートばかりのほうが史実っぽいのでジャンジャンやってくれ!許すぞい!!
 史実メフメトと言えば男へのラブレターも残っている完全なるゲイ寄りのバイですが、そこは流石にオミットされるだろうと覚悟は決めてますね。エルドアン政権続行しちゃったからね、仕方ないね。でもだからこそこのドラマは多分ここまで予算もらって気合い入れられてるかもしれない。複雑な話。
 でもワラキアの串刺し公ヴラド3世の弟ラドゥが出てきたらワンチャンあります。出てきてほしいなドラクラ兄弟。2話予告で地味にワラキアの国旗が写っているので、ヴラド・ドラクラファンとしてはめちゃくちゃ期待してるよ!!

 そしてメフメト二世と言えば、親父ムラト二世との親子仲が最悪だったことも有名ですが……
 さすがに最後のシーンは可哀想すぎましたね…それでも親父に膝を折れるメフメトだから私好きだよ…(孫セリムが親父バヤジット二世をぶっ殺して即位しているのを見ながら)
 何も知らないにしてもひでえこと言いやがるムラトでしたが、それもこれも全部スンビュル・ハリル・パシャってやつが悪いんだ。そういう構成でムラトとメフメトの対立を描いていくことになりそうですね。やっぱりガチで親子が不仲に書くと色々まずいのでしょうが、ムラトとハリメの息子である四男アフメトの存在がノイズすぎるのでこれからどうしていくんだろうなあと気になります。

 そして来週は失望のマニサへ。
 このドラマ、てっきり2回目の即位からスタートすると思ってたから、ほぼ史実史料のないマニサ生活もやるとかマジでビックリした!!2話予告で推定ギュルバハルと思われるエレニと一緒にいるので、バヤジット二世爆誕子作りに励むことでしょう。
 せっかく尺がありそうなので意気消沈しながら園芸趣味に興じている姿も見たいですが、やっぱり撮影は冬なんだよなあ…といういつもの造花庭園って感じでしたので無理ぽそう。ラーレ育てろ!
 そのかわりスレイマンみたいに宝石細工してましたね。あと地図のトレースとか。友達がとてもはしゃいでいる横で、火事!やば!!とか言ってた私であった。こないだぁパンくずがトースターで発火しちゃってぇ…(掃除しろ)

【英字幕版鑑賞後の追記】

「征服とは、機会だ」がめっちゃメフメト二世すぎるセリフで好き〜!!

 あとコンスタンティノープルの征服会議してるときに、ハリルに「お前が障害となるな」と怒鳴りつけてるところもカッコよくて好きだけど、ヤーノシュなんかほかっとけはマズイだろおまえ〜〜。
 そこがまだまだ若いメフメト二世って感じで可愛いところですよね。

 地図が燃えるところとか「誰が燃えるのかは神のみぞ知る、だ」とか言ってて、演出が本当にいいドラマ〜とめちゃ思いました。

チャンダルル・ハリル・パシャ

 私はスンビュル・ハリル・パシャって呼んでますが、本当にあのスンビュルが!すっかり燻し銀なって!!超かっこいい!!
 『オスマン帝国外伝』ではスンビュルの俳優さんが男の中では一番好きだったし、ネトフリのチャンダルル・ハリル・パシャもめちゃ好きだったから、本当に再起用がめちゃ嬉しすぎるんだ!!お帰り!!
 なんと言っても演技力が抜群にある俳優さんなので、このドラマでも良い狂言回し役として存在感がめちゃくちゃあって最高でしたねえ!!ネトフリではあの愛嬌が全部削ぎ落とされた渋すぎる大宰相になってましたが、このドラマではニコっと笑うところもあるので、食えないゲームメイカー爺さんぶりが加速し素材の味も出ている。最高だぜ。
 気が早いがマジでネトフリはいらない子。私はこれからこのドラマをまず第一に勧めます(トルコ語のハードル高くね?)

 ハリル・パシャはメフメトにとってコンスタンティノス以上に因縁のある相手でもあるので、戦シーンから既にラストへの描写の積み重ねしててよかったですね。オルハン皇子に「メフメトはいつかお前を終わらせるだろう」とか呪いかけられてたり、メフメトは今後を知らずに助けてあげてたりしてる憎い演出も。ある意味、裏主人公ですね。ハリル・パシャ。
 それにしても以前からインスタで俳優さんフォローしてたので「最近すっかりムキムキになって…」と思っていたら、この役のためにもマッスルマッスル〜してたんだなと腑に落ちましたね。しかも戦闘だけでなく乗馬もできるとか、『オスマン帝国外伝』ではマジでなんで宦官役やってたんだよ…と逆に不思議なことに。しかもメイキング見る限りイブラヒムくんの俳優は乗馬ダメダメすぎたもんなあ。でもそのおかげであの美形すぎるマルコチョール・バリ・ベイが来たかもしれないのでお釣りは十分すぎるほど出ているんだ。
 あとハリルは主君メフメトより兜とか馬具が豪華な感じなのが、いかにも賄賂男で良いですね!普段の服もシャレオツだし!!黒のターバンカッコ良すぎるんだ!!

 史実通りスルタン親子すら巻き込んでいく謀略キャラなので、うまいこと物事を転がしていましたね。
 コンスタンティノープルの陥落やりたくないから偽の帳簿を作ってメフメトをドツボにハマらせてるのクレバーで良かったなあ。浮いた本来の予算って絶対に自分の懐に入れてるよねアレ。さすが金!金!金!の男だ。

 あとシャーベッテンの屋敷に不法侵入して林檎しゃりしゃり剥きながら脅しているのが個人的ハイライトすぎる!怖いよ!!せめてうさぎさんに剥いて!!器用な貴方ならできるよ!!ミフリマーフちゃんとお料理番組してたの知ってるんだからね!!


「メフメト陛下は林檎をくださったが、私はアマスヤの林檎のほうが好きだ」
「どうやってここに来た?」
「水を差すな。まだ何も言っていない。座って、まあ聞け。
 アマスヤの林檎は大きくて薄皮で、我々がメドレセの生徒だったころ、ああよく食べたなあ!
 ミスケットと、アマスヤの人々は呼んでいた。ミスケット、わかるか?
 新鮮で歯応えもよくて、ジューシーで、軽くて」
「なぜここにきた」
「林檎以外は分け合う気はないとお前に伝えに来た。
 門番の小姓たちはやめさせるんだな、私が実質育てあげた者たちだから」

 クズルエルマこと赤い林檎はスルタンの小道具であるはずなのに、完全にスンビュル・ハリル・パシャがモノにしてしまっていた。この貫禄の差よ。
 やっぱあのとき林檎を渡すんじゃなくて、グシャア!!って粉砕玉砕大喝采すべきだったんだメフメト。予告で唯一聞き取れていた「スルタンムラトではない、スルタンメフメトだ!パシャ!!」のシーンはカッコよかったが、それ以上にその前のイライラしながら「パシャ…!!」って何度も遮ろうとしているメフメトが本当にらしくて好きだったし、口が止まらないハリルもハリルでらしかったなあ。
 そして林檎ブッ刺してるの指示棒じゃなくて矢だったのか、このドラマなんか演出が洒落ていて好きだ。

 ムラト二世とハリル・パシャの仲はどんなものだろうと思っていましたが、最後のやり取りを見る限りはそんなに仲良くなさそうっぽい???
 チャンダルル家はトルコ学者系名家なので二人は昔からの付き合いかもしれませんが、ムラトへの忠誠心という点では疑問に残るハリル・パシャのキャラなので、ムラトの死因がどうなるか気になるところではあります。
 とにかく謀略パートは彼中心に回っていくと思うと楽しみなドラマです!

 あとイサク・パシャとは仲良しそうだった。今までイスハクと読んでいたが、まんまイサクでええんかという気づきを得ました。
 バービンガー本によると、イサク・パシャを蹴落としてハリルは晴れて大宰相になったわけですが、まあ円満な出世だったのかしらね。それにしても「じゃがお前は歳じゃろ?」と言いたくなるイサクに後に嫁がされるハリメさんの反応が今から怖いですね!でもイサク・パシャのターバンめちゃオシャレで一番好きですわ。

【英字幕版鑑賞後の追記】

 林檎を預けられた後「メフメトのことは幼い頃から知っている」と言っていたので、ララじゃん!!シャーベッテンに取られてるけど!!もう先生設定消えてんのかと思ってたわよ!!と驚いてしまった。
 イサク・パシャが「陛下はザガノスとシャーベッテンに毒されてる、言いなりだ」と言えば、「メフメト陛下が彼らの言うことを聞くようなタマに見えるか?」って返す辺りが、ちっちゃい頃から頑固なメフメト知ってる感がほんとに出てて良かった。もちろんコンスタンティノープル征服が夢であることも知ってて、それが悪夢になることを知らんのだと、意外と普通にメフメトを案じてるお爺ちゃんという印象を受けました。まあ嵌めるんだけどな!へへへ。

 あと伝書鳩のシーンはハンガリーに送ったスパイの話してんのかと思ったら、ヤーノシュの動向ではなく大砲作りに夢中になってるメフメトの話をしていたという。そっちもハンガリーだけどよ!!
「何も心配するな、縄はつけておく」がメフメトを子供だと舐め腐ってる言い方だが、イサク・パシャにもメフメトはムラトじゃないぞとそこは釘を刺されていると言う。どうやらムラトが皇帝になれたのはハリルの力が大きかったみたいな言い回しだなあ。

「権力とは、伝統、慣習、そして知恵だ。望遠鏡で百人の戦士の向こうに見るものじゃない。お前がいなくなった百年後にそこにあるとわかるものなのだ、イサクよ。メフメトも将来学ぶだろうよ」

これがかっこいいセリフだぜ

シャーベッテン・パシャ

 まさかの存在感すぎてめちゃくちゃ意外だったし目が離せなかった!!

 確かにザガノスと一緒にマニサ送りにされたパシャなので、メフメトの信頼厚かった人ということになります。
 ただ宦官出身という以外は能力的には派手なところがない人物なので、後に大宰相に抜擢されるザガノスと比べると影が薄いのは否めない。ただドラマではそれが逆転した感じでしたね。なぜ!?メフメトあんた頼りにする人物まちがえてんのよ!?
 まあとにかくそういうわけなので、シャーベッテン・パシャが他のパシャやイェニチェリから舐められまくっているのは仕方ないでしょう。宦官上がりのくせにメフメトの寵愛だけで出世してると思われていて、あらゆる人物から死亡フラグ立てさせられてる〜。正直無茶ぶりさせられていて可哀想でしたね。人脈がまだなさすぎるメフメト。しかし晩期でも宦官上がりを重要ポストにつけるメフメトなので、このシャーベッテンがいたからなのかなハディム・スレイマン・パシャの起用はと思いました。まあスレイマンのほうはわりと無能だったんですけど…。
 あと不法侵入ハリルとの会話で、アマスヤのメドレセでの同期っぽい設定があるようでしたね。このへん自動翻訳もあまり仕事してないので会話を正確に聞き取れてないのだが、このドラマでは宦官出身設定は実はないのか?髭は生えてないけど…。とにかくハリルがイェニチェリにシャーベッテンにヘイト向けるようにして、イェニチェリは「シャーベッテンは大宰相になる野望があるぞアイツ」なんてハリルに吹き込み返してるので、ヘイトリレーが美しかったね。「林檎しか分け合う気はない」の脅しがマジで怖すぎて好きなんだよなあ。

 そしてイェニチェリの反乱前に部下がめちゃくちゃ死亡フラグ立ててるのも正直笑ってしまったし、史実ガードあってもシャーベッテンおまえ死ぬの???と何度も心配になったくらい、イェニチェリの反乱がガチすぎて凄かったです!
 合戦シーン並みに気合の入った略奪シーンではなかったか?
 マジでならず者集団すぎて歴代スルタンたちはよく制御しきれたわね…と心底思います。羊を担ぎ上げて攫ってくシーンとか豪快だった。どろぼー!!
 ザガノスが助けに来てくれたので何とか生き残れましたが、2話予告を見てるとまたシャーベッテンは襲われてるので不憫キャラとして頭角を表しすぎていて目が離せません!!がんばれよ!!

 それにしてもイェニチェリの隊長はやりたい放題してるので、あいついつか死ぬわ…!!
 その記録つけてるトゥルスン・ベグも出てきてくれたら嬉しい。出てこないかな。

ザガノス・パシャ

 ザガノスという名前はついているがザガノス要素がほぼない謎の爺ちゃんキャラになって困惑。

 彼のキービジュ発表されたとき、はぁ!?ハリルより年上の老人がザガノス!?とさすがに拒否反応でましたね。古参パシャたちによるハリル旧体制VS新精鋭奴隷上がりザガノス新体制という勢力構図も面白いところなのに何故崩す!?と心底意味がわからないキャスティングですが、バジズボグを率いて頑張って騎兵アタックしてるザガノスじいちゃんを見たら、まあ…ええか…???ととりあえず評価は保留にしておきます。
 でも武闘派なザガノス見たかったな…。イェニチェリ上がりなのに、そんな強さも人間関係も全然無かったことにされてて、素材殺しがすぎる。どうして。
 史実ではムラトの娘を嫁にもらっているのでメフメトにとっては義理の叔父さんでもあるのだが、もはやジジマゴ主従なんよ。陥落後に大宰相になっても天命を全うしての辞退になりそうなんだ。

 あと子供達に勉強を教えている気のいい爺ちゃんぶりも見せて、本当に誰だオマエは?Kim bu???か言いたくなります。
 実際のザガノスは海賊行為したり無駄な住民虐殺もしていたワルもワルなんだよなあ…。漂白されすぎ!!
 むしろ晩年にメドレセで教壇取っていた次の次に就任する大宰相マフムト・パシャならわからなくもない姿。
 つまり義理の息子であるマフムト要素がザガノスに悪魔合体しているんですかね?
 私はしぶとくマフムトさんの出番を待つつもりだから存在なかったことにされたら嫌だけど…。コンスタンティノープルの陥落で降伏を告げに行った使者は何を隠そう、マフムト・パシャなのでね!もうそこで出てこなかったら諦めますが!!

 地味なところではエレニちゃんに治療代渡そうとして遠慮されて渡さなかったのが何か引っかかる。
 おまえ老人なら老人らしく孫に気前よく小遣いをあげんかああああああああ!!と謎の憤慨をしてしまったので、良い人にしたいのかザガノスにしたいのか、はっきりせえ!と言いたいドラマですね

【英字幕版鑑賞後の追記】

 エレニちゃんに治療代あげなかった件についてですが、「本当に必要としている人たちに恵んであげてください」とまで言われてしまうと、さすがのザガノスもいいからいいからとは言えんですね…。

 のわりにはヒュマにエレニを紹介したとき「皇子には身分が釣り合いませんよ。奴隷ですからね」とか言うし、「私も奴隷出身ですけど???」と返されてアセアセしてるザガノスは実にザガノスなんだ。でもこんなこと言っちゃうなんてドラマのザガノスは奴隷上がりではなくなってるのかもなあ。自分を棚上げしすぎということになる。

 あとエレニのオヤ包帯を見て「ザガノスにこんな才能があるとは知らなかったわ」と言うヒュマがお茶目で好きでしたね。

ムラト二世とハリメとアフメト皇子

 ムラトのラストの甲冑姿が誰よりもカッコよすぎたんだが!!これぞ正しくイェニチェリに人気なスルタンの姿!!
 でも中身はアラエッティンの死で世を疎んじて生前退位して12歳のメフメトに全てを投げた困ったおじさん。
 ブルサで隠居生活エンジョイしようと思ったら、第一夫人であるハリメと熟年夫婦倦怠期に入って面倒くさくなったから戻ってきたようにしか見えないドラマだった。
 家庭を顧みずに仕事だけは有能おじさんとして解釈一致、残当。

 史実ムラトについてはメフメトを明らかに冷遇していた節がありますが、ドラマでは平等に息子たちを愛している父親っぽい詩を披露してましたね。
 しかもメフメトの母であるヒュマを結構優遇してる感じだった。マーべリングで不死鳥シムルグ描いてるの、ヒュマの名前の意味が楽園の鳥なので、めっちゃ想いを馳せているやん!!と思いましたね。
 でもそれが気に入らないハリメさん、マヒデムーブをかまし続けるのであった。
 『オスマン帝国外伝』ファンとしては彼女に一番ハレムビンタ芸を期待してます。ヒュッレムやマヒデヴランやハティジェの剣幕を超えられるかは微妙なところ。イサク・パシャも頑張れ。

 しかし彼らの息子である四男アフメト皇子が生きている構成は、最初聞いた時にはビックリしましたね。
 何度も言うけど、てっきりメフメト2回目の即位から物語がスタートすると思っていたので!
 皇位継承と同時に兄弟殺しを念入りにしたメフメトなので、史実のアフメト皇子はそこで風呂場で溺死させられた最期です。さすがに0歳児の赤子を殺すシーンは惨すぎてやれないと踏んだドラマスタッフの意志はまあわかるのだが、言うてメフメトはその兄弟殺しを法令化した男なので兄弟殺し自体はキッチリとメフメトの意志でやってほしいお気持ちですね。
 2話の予告映像見たらアフメト皇子とヒュマのヤバそうなシーンがあるので、ハレムバトル相討ちで更なる地獄へ…って感じなのはまあワクワクします。
 しかしムラトの目が黒いうちにそんなことやられると、さすがにムラトが可哀想になるんだ。まあ慣習に逆らってアフメト皇子作ったムラトが悪いんだけどさ!なので史実のムラトとハリメは結構ラブラブカップルだったのではと私は思っています。だってハリメさんは推定40歳でアフメト皇子を高齢出産してるんだぜ?愛がなした業ですよ…だからメフメトが可哀想な話なんですけどね…

 あとムラトが史実で一番愛していたであろう次男アラエッティン皇子の墓参りシーンもちゃんと入れてて良かったですね。
 アラエッティン皇子は『クズル・エルマ』というドラマでかっこいい生前シーンが見れたので、そっちで満足しよう。
 しかしメフメト二世ドラマ、このドラマ出てくるまで下手な鉄砲数打ちゃ当たるレベルで製作しすぎなんよ。正直このドラマでネトフリも入れると4つ目、トルコ国民は「またメフメト二世のドラマやってる…」というアタリショックに近い状況だったと思います。私からすれば羨ましい状況ではあるのですが。

【英字幕版鑑賞後の追記】

 アラエッティンはどうやら母親を早くに亡くしたのでハリメさんが面倒を見ていたらしい?ことが夫婦喧嘩でわかった。
「アラエッティンの死を嘆き悲しむアンタにわざわざついてきてアフメトと一緒に励ましてきたの私なんですけど!?」に「別に頼んでないが…」って返す辺りが実にムラトっぽくて大変良かったです。ハリメさんの言い方は癪に障るけど、ムラトも大概なのよ。実家に送り返そうとして許したのはアラエッティンに免じてということらしかった。

 息子たちの詩について「もう一行、書き足す必要がある」と言ってメフメトも一応追加する良いババ〜!!
 でも本人には絶対に一言も誉めたことねえだろうという親子であった。

ヒュマとマラとエレニ

 メフメトのアンネたち、めっちゃ仲良しそう!
 ハリメさんだけハブ!?まああの性格では当然か。

 ムラト嫁トリオの中ではヒュマだけ奴隷身分ですけど、セルビアのお姫様であるマラ王女と仲良しなのも窺える賢そうな女性像にされてましたね。あの時代で読み書きできるのすごいんだ。メフメト二世の時代から、本格的にハレムの女性も教育するようになっていった覚え。
 ヒュマについては全然史実史料が残ってないので死に方もよくわからないのですが、メフメトの2回目の即位前には退場してしまうので、なんか取ってつけたような咳してましたね。息子のハートを射止めたエレニちゃんが薬剤師だったので一石二鳥!って感じでお持ち帰り、これがオスマン版薬屋のひとりごとか…と思いました。花になって〜♪
 それにしてもオヤの包帯可愛かったな…あらあら〜〜💖ってなるのは仕方ないわね!!

 エレニちゃんは、おそらく改宗すればメフメトの最初の嫁ギュルバハルになるヒロインだと思いますが、マジで可愛いですよね!!衣装もよく似合ってて!!美男美女カップルで何も言うことはない!!ギュルバハルであってくれ!!
 しかしエレニという名前、メフメト二世がコンスタンティノープルで見初めて周りにとやかく言われて処刑してしまったという謎の悲劇ヒロイン“エレナ”とそっくりの名前なので、まーたギュルバハルが軽んじられてるよ〜!!とまず思ってしまいましたね。メフメト二世の墓の隣に名もわからぬ女性が葬られているらしいので、一定層はロマンを感じるカプみたいです。
 私はメフギュルが好きなのでメフギュルを応援するよ!!だからギュルバハルであってくれ!!(二度目)
 トルコ語の聞き取りができずよくわかんなかったのですが、あの爺さんの本当の娘ではないからハレムにあっさりやってきたのかな?エディルネのハレムはなんかトプカプ宮殿のハレムより広そうで豪華だった!!なお現実のエディルネ宮殿は、セリミエ・モスクを建てるために取り壊され、代わりに作った二代目もロシアとの戦争で跡形もなく爆破されました。無情だ。おかげで何の資料もなくエディルネ背景を描かなければいけない我々同人作家も困っているわけなのだが、二人してめちゃ参考にするね!!と両手で拝み倒しました。

 そしてセルビアの王女マラ様、なんと既に里帰りしてらっしゃる!?どういう状況!?
 チンピラなヤーノシュが子供スルタンと馬鹿にしてくるから喧嘩買ってる姿が逞しすぎたし、ヒュマに毒盛らせようとしてた女官にも容赦なかったですね。メフメトの義母として相応しい貫禄の姿。
 あと「サファイアはアシュクの証よ」とか言って指輪を贈ってましたね。多分あれマフムト・パシャの地元の鉱山で採れたやつだ。マフムトさん元気かな…。なんでいつもいなかったことにされるんだろうか、未来の大宰相なのに。
 ネトフリのマラ様の女優さんも綺麗な方で好きでしたが、こちらも甲乙つけがたく!素敵なドレス衣装をたくさん着てほしいですね!!
 今んとこは『オスマン帝国外伝』とか『オスマン』の女性衣装のほうが華やかなので、もうちょい頑張ってほしいなと思っていたんですが、インタビュー記事によれば「2万以上の衣装が製作されました」とあるので、みんな毎話お着替えするレベルか!?と楽しみです。メフメトもさすがに質素なカフタンすぎやしないかと思ってたんですが、2話を見るとパワーアップしてるし期待しちゃう。
 イェニチェリ衣装は『オスマン帝国外伝』からパワーアップしてるので既に満足してますね。

【英字幕版鑑賞後の追記】

 英字幕版を見てもマラ様が里帰りしてる理由がガチでわからんという…ほんとにただの里帰り!?
 シェハーベッテンにルビーの話をしたから、マラ様のサファイアの話も出てきたのかと脚本の流れが良い。
 「私は愛なんてまだ知らないのに、二人はいつもこの話をしているのですね」と返すメフメトがアンネズに愛されているのがわかって嬉しくなってしまった。というか母親ウケのいい答え方するよなメフメト。「父の心配事は貴方だけですよ、母上」とか「じゃあまだ病気が回復したことは伝えないで」とか感心する返し方だった。愛されるのもわかる。

 ヒュマは病気が治らないとムラトに置いてかれたと思っているんですね…。まあそうかもな(オイ)
 物語が始まる前は相当病が重かったのかもしれない。本当に病だったのか疑惑が毒殺未遂事件であるわけだが、まあそれはおいおい…。
 エレニちゃんの爺さんはどうなったんだと思ったが、一緒にエディルネに連れてきてはいるんですね。まあ2話で嫁だけマニサに行ってるんですけど、娘同然の奴隷がスルタンの嫁にして母になるのだから文句なんぞあるめえ。

ヤーノシュ

 すげえ悪人顔だからザガノスか?と思っていたら、まさかのヤーノシュ・フニャディ!!
 コンスタンティノープルの陥落では無慈悲に傍観カトリックおじさんなので出番あってもどうする?と疑問に思ってましたが、ムラトが生きているところから始まる構成だったのでヴァルナの戦いのライバルキャラとしての登場ということで納得。
 もちろんベオグラード戦ではメフメトとも対決するし、弟子にあの串刺し公ヴラド3世もいるので、このドラマがメフメトが死ぬまでやるドラマなのかもしれない希望と可能性のおじさんです!
 それにしても見た目の存在感が凄すぎる。地味にチョンマゲっぽい髪型でサムライに見えるけど、ハンガリー人なんすよね。トルコ語ではマジャール呼び。なんか騎馬民族の流れを汲むらしいから、モンゴル系っぽい人を選んだってことなのかな???
 演技も傭兵らしくめちゃチンピラで素敵です。しかしここまでチンピラチンピラしてると、息子のマーチャーシュとか弟子のヴラドも素行悪く育っちゃうのでは?と心配になりますね。まあヴラドはそれで良いんですけど…串刺し公やぞ!!素行悪くなきゃヴラドじゃないわい!!2話予告の一瞬のシーンがそれであってほしいが、はたして!?

 この頃のヤーノシュはまだトランシルヴァニアの領主ではないものの、最後の十字軍を結成して成り上がりの真っ最中です。枢機卿と一緒に悪巧み中でしたね。
 セルビア王国のジョージ・ブランコヴィッチとも結構縁があるはずですけど、代わりに娘のマラ様が外交してましたね。マジでマラ様の状況がわからぬ。メフメトを愛でているのでムラト二世に嫁いだ後であることは間違いないが、里帰りが許されたのはムラトが死んだ後なのでね…。

 とにかくヴァルナの戦いが彼の一番の見せどころなので来週以降が楽しみですね。
 このチンピラ具合だと聖書の約束破棄するのは枢機卿じゃなくてヤーノシュにされそうなんだ。次回予告もお茶目な姿を披露していてポテンシャルを感じる。ビザンツ陣営に負けずに頑張ってほしいです!

【英字幕版鑑賞後の追記】

 ヴァルナの戦い終わってんじゃん!!ビッテンしてるなら言ってっよ!!
 2話で「おかしい…コソヴォの戦いの話してるやん?」と思ったらコレですよ。
 結構時系列は矛盾が出ない範囲で操作してる系のドラマなので、史実情報だけに胡座かいてると私みたいなことになるので、トルコ語の聞き取り頑張りましょうね💖

オルハンとコンスタンティノスとビザンツ陣営

 まさかのオルハン皇子との戦争で物語が始まるとは思わなかった!!
 本来ならメフメトの初陣の対戦相手はカラマンのイブラヒム・ベイなのですが、トルコ建国の理念に反する判定になっているのか、トルコ民族同士の紛争はあまり描きたくなく避けたのかな?という印象です。だから最後に内戦紛争状態にしたメフメトにムラトがヤザク言ってるわけですしね。
 もちろんオルハン皇子とてメフメトの異母兄弟叔父なのですが、こちらは敵対しているビザンツ帝国に匿われた裏切り者ハーインなので、悪役にしても良し!!ってことなのでしょう。このドラマはコンスタンティノープルの陥落が物語の主軸ですから、その面でも上手く補強できるオリジナルパートで私は高く評価していますね。
 始まる前はルメリ・ヒサル砦を作る際の小競り合いかと思ってましたが、そういえばメフメトが即位したときにコンスタンティノスはオルハン皇子の人質管理費アップを要求してきたんだよな…と思うとこいつも上手い流れですね。

 というわけで逃げ帰ってきたオルハン皇子でも優しくマント巻いてあげるコンスタンティノスであった。
 なんかこのコンスタンティノスはまだ皇帝に即位してないと思うのですが、見た目がチャラすぎる兄ちゃんじゃね!?髪型も現代っぽいというか片耳ピアス!?変わったコンスタンティノスをキャスティングしてきたなと思いました。まあ個人的には好きですけど、弟と母がビザンツビザンツしてるだけに浮いてて気になるな。
 弟デメトリオスがワンチャンいっぱい連れてて可愛かった。全部種類が違ったが犬に詳しくないのでわからないけども。オスマンも対抗して猫まみれにしようぜ!!
 兄弟仲悪いのはまあ仕方ありませんが、兄弟殺しするオスマンよりは恵まれてるんだ。まあデメトリオスはコンスタンティノス死んだ後が結構恥知らずな人生なのですが…。

 ノタラスと話しているのは兄のヨハネスなのかな。天然痘か?みたいな感じで死にかけている。
 天然痘っていつも忙殺に使われてるから、本人もママを疑っている感じの会話をしていたが、私は目の前のノタラスも怪しいと思うぜ。

 それにしてもコンスタンティノープルの陥落ドラマなのに、傭兵ジュスティニアーニがいないのが不自然すぎて気になりますねえ!!
 ジュスティニアーニなしで作れるとは思えないが、追加キャスト発表がくるのかどうかは2話以降に注目ですね。私もマフムト・パシャ参戦!がほしいからいつでもホシュゲーティなんよ!!

アブ・アイユーブ・アル・アンサリ

 イスラム教布教冒頭パートのおじいちゃん。
 正直誰かわからんから最初は飛ばしてしまったのだが、ググると彼はムハンマドの仲間で、コンスタンティノープル包囲中に亡くなった人らしい。
 そういえばメフメトがコンスタンティノープルを陥落させた後に彼の墓を発見してモスクを建て直したんだっけ。と今やっと思い当たりました。
 これによりコンスタンティノープルをイスラム教の都として泊をつけようって感じですね。
 まあ…明らかなプロパガンダパートなので、今後出てきてもまた飛ばしてしまうでしょう。
 すまんな、不信者で。

Posted by tiriw

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