今月のヴラド・ドラクラ
ヴラド・ドラクラ5巻、発売しましたね!
マリアタの誕生日合わせで早めの発行となったので、今回は動画は作れませんでしたが、夏からコツコツ描いていたイラストを記念絵に仕立てあげることにしました。
地図配置の主要国トップたちを描きたかったのです!!
ヴラドが主役の漫画だけれど、やっぱ私はこの四人の確執が好きなので、メフメトが撤退してからが本番よ!そしてスカンデルベクおじ様も追加で参戦してきてもいいのよ?
地図配置にするために下に置かざるを得ないメフメトのポーズをどうするかずっと悩んでいて時間がかかったのでした。涅槃ポーズだが、まあコイツ宗教オタクだからセーフでしょ!
一見すごく健全なファンアートに見えますが、マリアタがメフメトを踏んづけてるところに欲望がダダ漏れ。気づいてくれたフォロワーはみんなメフヴラ民でしたね。さすが!一応これ以上征服はさせねえよ的な意味で入れました。
あとドナウ川もめちゃめちゃ入れたかったんだけど、うまく描けなかったのがちょっと心残りです…。
あと今月からハルタ定期購読を頼みました。
もうこれで書店特典がなくてションボリ…とはオサラバです!ギリギリ複製原画集も手に入れましたよ!
あと定期購読ありがとうペーパーも入っていて仰天しました。
初耳だ馬鹿野郎!そういうことは早く言え!!
今までにヴラド・ドラクラペーパーがあったらめっちゃ後悔します、もう一回入れてください。お願いします。
5巻の描き下ろし感想
まずは単行本の描き下ろし感想から書きますね。
私はハルタで既に本編を読んでいて、感想ももうとっくにめちゃくちゃメフヴラメフヴラ言ってるんで、そんな狂った感想を読みたい方は過去記事を読んでください。
でも何度でも言いたい。
「お前には俺と共に世界を手にする道もあったのだ」はめちゃめちゃ最高に理想的なメフヴラシーンだったよね!と。
独りよがりなメフメトくんの儚い夢を鼻で笑うマリアタ、本当に大正解すぎてあの煉獄ポエマー・パルガ・イブラヒムも絶賛よ!
で、肝心の描き下ろしページは、串刺し増量キャンペーンとヴラドVSメフメトの戦いの諸説紹介でした。
串刺しシーン、正直本誌版より断然迫力がある!!
これが初見だった単行本派が思わず羨ましくなりました。
見開き串刺しページは言わずもがな、メフメトに迫る骸骨の群れは真っ昼間から最高のお化け屋敷!
トラウマになっただろうメフメトくんに思わずディズニーのスケルトンダンスを見せて追撃したくなりました(は?)
これ。マリアタは喜んで見そう。
これだから欧米人は……と分かり合えない転生メフヴラは可愛いと思います。
串刺しシーンには、ヴラドが人質時代に世話になっていた世話役もきっといるだろうなと思っていたのですが、よりわかりやすくなりましたね。多分左のやつがそうじゃないかなあ…腐った肉かもしれんが髭に見えなくもない…。
仕方ないけど、後ろでオロオロとヴラドのことを心配してる姿を見ていたし、二次創作小説でもよく彼は書いていたんで、世話役まじで可哀想と同情します。
というかこの世話役の末路、メフメトのヴラドとの輝かしい青春時代の思い出に思いっきり泥つけてる行為ですよね。なんたって世話役がヴラドをマニサを連れてきたからこそ始まった二人の因縁ですし。端から友情なんて、あの出会いなんて、私は簡単に冒涜できる!!という完全否定に見えなくもない。
マリアタ、きつい男だ。でもそれくらいしないとメフメトは目が覚めなかっただろうから大正解です。私は支持しますよ(推しには絶望顔させたいタイプのこじらせオタクなので)
ヴラドVSメフメトの戦いの諸説紹介については……
なんにしろワラキアもオスマンも主君を失わず終わった煮え切らない結果なので、お互いにそれぞれ見栄を張った記録を残していて、戦争の詳しい経緯がまあよくわからんのですね。
大窪先生はもちろんワラキア側の記録に詳しいので、色々紹介してくださって興味深かったです。
マリアタが甲冑姿でお馬ちゃんに騎乗して斬りつけてるカッコいい姿、早く本編でも見てえよ!!
私はもちろんオスマン贔屓なので、メフメトのテントに突撃したつもりがパシャたちのテントだった説が一番好きだし、これが真実だったらいいなと思ってますね。
このパシャこそ、私が以前から話している大宰相マフムト・パシャだからです。
マフムト・パシャはメフメトの征服戦争にほぼついていったスーパーサイヤ武将です。
コンスタンティノープルの陥落戦では一番体張っていたらしく、オスマンが敗北したベオグラードの戦い後ついに責任取らされたザガノスの代わりに大宰相へ出世。それからは故郷セルビアを血族絡みで落としたり、トレビゾンドを滅ぼして実質ローマ帝国に止め刺した張本人となっている。そしてその足でワラキアに向かいメフメトと合流。働き者すぎます!正直いつ休んでるの?
さらにその後にレスボス島やネグロポンテ攻撃した際には、海軍も指揮できる万能ぶり。そのとき現れたヴェネツィア艦隊にメフメトすらビビって撤退しようとしたのだが、マフムトはただひとり叱咤激励して攻撃を続けた根性と度胸もあります(ちなみヴェネツィアはそれをマジで見てるだけだった…何しにきたんやコイツら…)
つまりマフムトはパルガ・イブラヒムの上位互換と言ってもよろしい。そらスレイマンもそんなマフムトと比べてきたら、さすがに鼻で笑うわな。
まあそんなスーパサイヤ武将のテントに間違って突撃しちゃったら、そりゃ失敗しますよ!
何ならメフメトより強いかもでしょマフムトは!!
マフムトは更に人格者なので、部下にも超慕われていました。あのトゥルスン・ベイもメロメロでした。必死に上司を守ったことでしょう。
しかしマフムト・パシャをこのときヴラド陣営が殺せていたら、メフメトにかなり致命的な大打撃を与えたでしょう。ヴァルカン諸国もオスマンも、どちらの未来も大きく変わったに違いありません。
そこがこの説のロマンあるところです。
まあでもメフメトVSヴラドというトップ同士の対決に比べちゃ、そりゃ敵わないよな…!!
やっぱり漫画の流れが一番盛り上がるので、人質時代からメフヴラを会わせてくれてサンキュー大窪先生としか言いようがありません。
ちなみにマフムト・パシャは出来た人間なので、ヴラドのこと褒めていたらしいです。
捕らえたワラキア兵をいくら拷問しても口を割らないので感心して、「ドラキュラにより大きな軍勢があれば、優れた結果を残していただろう」と言ったのだとか。
ちょっと聞いた?マーチャーシュくん???
現実のメフメトなら「なんで俺の嫌いな人間を褒めるの!?」と激怒しながらブッたかもしれませんが、ドラクラのメフメトくんは「だっろ〜〜!?さすが俺の右腕と見込んだ男だよな!!」とはしゃぎそうなので、マフムトの顔が曇ってそうですね。
そう、この完全無欠男マフムト・パシャの唯一の欠点が、メフメトと仲良しな人間への強烈な嫉妬でした。
トゥルスン・ベイの本には「素晴らしい卓見と知性を持ちながらも、マフムトは嫉妬という悪癖を治す術をついに見つけようとしなかった」と書かれています。実際、マフムトが留守にしている間にメフメトの覚えが良くなってきた防衛守備担当ディトリク・シナン・パシャを徹底的に排除してたり、メフメトと個人的に仲良しで一緒にいすぎた哲学者も無理やりポストを取り上げて遠ざけたらしいです。まあ…イブラヒムくんもイスケンデールにやってたねえ……。
つまりマフムトはメフメトくんのこと本当に大好きだったんですね。私はドラクラではメフヴラ推しですが、単純にメフメト二世推しでもあるので、別に人質時代にヴラドに出会ってなくても親友兼大宰相をちゃんと見つけてたんだなって超安心しました。
一応メフメトもマフムトのこと大切にしてたエピソードあって、彼が火縄銃食らって怪我したときは泣いて悲しんでくれたし、わざわざ3日間行軍休ませたり、その後の移動は担架で運ばせてやる驚きの手厚さを見せていたらしい。マジかよデレデレじゃん!
でもマフムトの歴史書“The Sultan of Vezirs: The Life and Times of the Ottoman Grand Vezir Mahmud Pasha Angelovic (1453-1474)”によると、「我々がトレビゾンド征服している間にヴラドがやり放題してました」という報告を持ってきたマフムトに、思わず激怒したメフメトは八つ当たり的にブったらしい。マフムトは何も悪くないのに…可哀想…。そらトゥルスンも皇帝陛下に怒れないから「ヴラドのせいでマフムト様が怒られていた!!」と人格攻撃描写を挟みたくなるわな。カルコンディラスの記録は直に読んでないので知らんが、トゥルスンは本当にマフムト擁護に余念がないと思う。マフトゥル尊いわあ。
しかしマフムトのエピソードを知れば知るほど、ヴラドが右腕だった異聞も見てみたくなりましたね。
それでも絶対に処刑エンドは免れないであろうオスマンのSagaこそが大好き。当然マフムトも結局は処刑されてるのだが、その辺の話すると長くなるので別記事で書きますね。
あとこれは個人的に超気になったんでついでに書くんですけど、ワラキア遠征に参加したオスマン将軍たちの中に、マルコチョール・バリ・ベイがおる……!?
えっ!あの超絶屈指美形の!?となるけど、さすがに同姓同名なだけで本人ではありません。というか私間違ってたんですけど、ヴラドが見せしめに殺したハムザ・パシャの子孫ではなく、彼はバヤジット二世の子孫でした。ママがバヤジットの娘なので、パパはマルコチョール・ヤフヤ・ビン・ハムザになります。そう、ハムザ違いだったのだ。許して。
ってことは、つまり……スレイマンとかなり親戚じゃないかーい!!と驚きましたね。
今月のヴラド・ドラクラ
で、なぜ単行本感想のほうで長々とマフムト・パシャの紹介をしたかというとですね……
やっぱりこの糸目おじ様パシャがマフムトにしか思えないんだなあ!?
オスマンの歴史書だと可能性は低いが、ヴラドの歴史書だとそのままワラキアに残ってラドゥが来るまで前線維持したと書いてあるので、この漫画なら有り得なくはないのです。
それにヴラドだけでなくラドゥくんの評価も冷静に正しくしているところが、いかにも先ほど述べたマフムトっぽい感じじゃないですか!?正直メフメトくんが意地になって進軍続けようとした辺りからめっちゃ気になってたんだよなあ。そのままラドゥのサポートしてるところも期待しちゃうね。
でもパーディシャーはラドゥを過小評価していると言うより、単純に人として嫌いなだけなんだよね…。
私情が甚だしいスルタン!!ヴラドだけが大好きパーディシャー!!
このマフムトもそんな真実を知らないほうがいいです。きっと嫉妬するかもなので。
それにしてもラドゥくんの作戦は見事だったなー!
顔も合わせていないのにストイカがどういう男か完全に見抜いている。すごい。非情になれきれないところにつけこんで、まんまとあっさり門を開らかせましたね。これにはさすがのメフメトも褒めるだろう。
デスノートでレムをハメてLも殺した月くんみたいなポテンシャルがあるわ、ラドゥくん。というのもヴラド・ドラクラと共にデスノート短編集を今さら買ったのです。相変わらず面白かったな!
というわけで常に先制攻撃されてしまうストイカさんですが、さすがにガレシュには反撃してましたね。
神のようにマリアタを崇めていることが自他共に公認じゃないですかー!!もちろん私もそうだと思ってましたよ!!神の言葉よりマリアタの言葉を聞く男だろうと!!
扉絵のマリスト主従が最高すぎます。何度も繰り返して申し訳ありませんが、マリアタとストイカの2話目でヴラド・ドラクラに心射抜かれた者なので、この根が暗すぎる主従は本当にお気に入りで応援している。
今回で間接的にラドゥと因縁もできたことだし、マリアタが毒兄を殺してくれたように、ストイカも頑張ってラドゥくんを殺しにかかってほしいものですな。オスマンより兄弟殺しに精を出してるマリスト主従にメフメトくんもドン引きよ!
ラドゥくんはホイホイ改宗してるからわからないだろうが、戦争時に一番強い人間というのは、信心深さにより死を恐れなくなったトランスモード信者にほかならない。その点で、ストイカさんは最強の可能性を秘めているキャラぞ。覚悟してくれよな!
それにしてもガレシュさんはあっさり逝きましたね。
一応チェルニク隊長と同期キャラなのに、ラドゥくんに殺されるまでもないとは…。もうちょっと頑張ってくれると思っていたのだが。主にイロナさんの死に絡んでくるかもしれない唯一のキャラだったので。逆に言えば、イロナさんは助かったかもしれない。
正直今月号でイロナさんの死亡フラグが立つかもしれんと覚悟していたので、思ったより進行が遅くて安心しました。これがアンケートの力だ!!みんなも良かったらアンケートだそうね!!
しかし同期は残すはブラトゥだけになってしまったなあ。彼は謀反するのか、味方のまま死ぬのか。
そして倒れて昏睡していたマリアタ、最後にカッと見開く。
えっ!起きるんかい!!と驚きました。もうそのまま棺にでも入れて偽装して脱出するものとばかり予想してました……(シャーロキアンかつブラム・ストーカー的発想)
歴史書にこの兄弟対決のことは具体的に何も記録されてないっぽいし、マリアタの意識がないまま脱出で面目を保つ展開にするとばかり。しかし確かに、ここを逃すと兄弟は顔を突き合わせるタイミングが永遠にないので、そりゃ対面させるわな!!
マリアタが胸の内を吐き出すわけないので、ラドゥが兄に向かって積年の心情を吐露しそうな展開になりそうですが、なんか恐ろし楽しみですね~~。だって本人は絶対に思ってないけど、ここでオスマンに置いてかれた可哀想な僕アピールされたら、数少ないマリアタの味方たちも不安を覚えるだろうな……。
そういう姑息な心理戦ができるラドゥくん、ほんっと良い悪役なので大好きですね!
来月も楽しみです!!
複製原画について
ついにギリギリで手に入れてしまった複製原画!
田舎なので早めにハルタ手に入れられるメリットがあるのかどうか気になってましたが、都会の定期購読組と同じ日に手に入れられて感激しました。佐川シード仮面様、ありがとう。
しかし企画的に当たり前なんですが…
驚異のアナログ率!
ハルタはアナログ漫画家天国ですね。
複製原画の出来はどれも素晴らしいものでしたが、正直持て余すグッズナンバーワン!と困りました。しかもこの串刺しシーンを部屋に飾っていると、さすがに正気を疑われてしまうよ~~。大事にしまっときます。
串刺しシーンのモブを描くのが大変で…というコメントを見てから、単行本の串刺し増量キャンペーンを見ると、改めてお疲れ様でした…としか言いようがない。しかも更に骨状態になっているので作画コストも増量キャンペーン状態に!
フルアナログって言ってましたけど、トーンも昔ながらのスクリーントーンで貼ってるとはあまり思いたくありませんね。なぜなら至高の国値札つけたまま進撃回のことが恐ろしくなってくるから……。
あと解説本を見たらゼブラ丸ペンがめっちゃ人気なのが印象的でした。
どうせ単行本を買いに行くから文房具屋も兼ねてるいつもの本屋へ行った時に見てみましたが、
あっ…これ……中学生だった私も買ったことあるわ!
というか都会のユザワヤでも確かコレくらいしかなかったわ!
ちなみに大窪先生の使ってるチタンGペンってやつはちょっとリッチなGペンなんですね。
耐久性がいいらしい。金ピカだとやっぱちょっと気分あがりますよね。
というわけで今回の感想終わりです。
来月のハルタも楽しみですね!