今月のヴラド・ドラクラ
ついにメフメトが帰ってショック死したか……と思われてそうですが、
死んだのはモニターなので遅れました!!(チーーン)
でも奮発してEIZOモニターを買っていたので貸出機を借りて何とか今日復活!
しかし、この涼しい貴重な時期に何も作業ができなくて耐えきれなかった私、
ついにiPadを買いに走ってしまいました……!!
新型のProでメモリが8GB!もう普通のノートパソコンみたいなものですね。
これから気軽にお絵かきできるぜ!!と思ったんですけど、結局今日まで操作方法の勉強に費やしロクに動かせていません。
それに、ハルタ発売して間もなく、ちょうど近場の図書館から電話がかかってきたんですよね。
――トゥルスン・ベイの「The History of Mehmed the Conqueror」だ!!
トゥルスン・ベイ、塩野七生『コンスタンティノープルの陥落』ではメフメトの小姓を務めていたが、実際の彼は優秀な文官であり、メフメトの遠征にほぼ参加して伝記を記録している。上記の本は彼のその貴重な記録を英訳した唯一の洋書である。
オスマン語は読めないが英語なら多少は読める私はずっと読んでみたかったのだが、東京の名門大学くらいにしか蔵書していないので諦めていた。
しかしある日、カーリルという全国図書館の蔵書情報を集めた検索サイトを利用してみたところ、なぜかこのクソ田舎大学図書館に蔵書してあるのを発見した!マジで何で!?と言いたくなる灯台下暗しである。
とにかく興奮さめやらぬままに相互貸借制度で申請しておいたのだが、タイミングよくここで連絡が来た。
思わず声も弾む戸春夜であった…のだが……!!
図書館「予約した洋書、ご用意できました」
わたし「マジっすか!あざっす!!」
図書館「23日までです、館内で読んでください」
わたし「……え?」
図書館「複写許可も得てませんので」
わたし「」
貸す気がさらさらない貸し出し条件に、思わず涙ちょちょ切れそうになった。
しかし必死にごねた結果、複写許可交渉してくれた司書さん…めっちゃありがとう……。
まあ絶版本なのでね、貸し出してくれただけ感謝ですけど、まじで最初の渋い反応なんだったのかと思いますよ。冷やかしだと思われたのかな…ガチ勢の覚悟を…試されていたのか……?
というわけで何とかコピーできました。
著作権法違反にならないためにページの半分しか複写できないんですが、
半分以上オスマン語だったので…問題ありませんね……
Halil İnalcık, Rhoads Murphey “The History of MEHMED THE CONQUEROR by Tursun Beg", Bibliotheca Islamica, 1978
確かにオスマン帝国外伝のヒュッレムもこんな書き文字練習していたな……(白目)
このページの何処かに今月のカズィクル・ベイも載っているはずだが、通りがかったオスマン語に詳しい方、ぜひ教えてください。
この記事の話の種にしようと『オスマン語文法読本』を片手に探してみたが、アラビア語ペルシャ語もわからない状態の付け焼き刃ではどうしようもありませんでしたね。筆記体みたいな見た目で頭と中と語尾で変形するの止めてくれません???(号泣)
しかし、そんなに重要な本ならなぜ翻訳されてないのだろう…とずっと思っていたのですが、これは確かに和訳できんし、しようとも思わんわな……と手にとって納得しました。塩野七生先生がアヤソフィアの描写だけやけに抜けてたのも納得(英訳サマリーで省略されていました)
オスマン帝国に興味ある未来の学生さん、卒業論文のテーマにいかがですか!?(他力本願)
ヴラド・ドラクラ感想
前回、オーバーキルのメンタルブレイクされなきゃいいけど……と心配しつつ、推しの曇り顔を超絶楽しみにしていましたが、ついに串刺し林を見たメフメト。
「もうこりゃ笑うしかねえやあ!!」的な反応で、あっ…思ったより大丈夫そうだった……!!と安心しましたね。いや、私は本物のサイコパスに出会ったことのない幸せな人生を送っているので、あのような場面に出くわして人間がどのような反応を返すのか皆目検討つかないんですけど、とりあえずちびって泣かなかったのは偉いと思いましたね。さすが母親の遺言を守るオスマン男児の鑑。
むしろ笑えないのは我々読者のほうだったよね……。
えっ……この期に及んでラドゥの影も形もないとかある???(震え声)
メフメト編としては綺麗な終わり方で何も文句などないのだが、逆に言えばフックが何もない締め方でめちゃくちゃ今後が不安になりました。このモノローグの締め方は…怖い…。5巻で完結コースがかなり現実的に見えてきてしまう構成に、思わずめちゃくちゃ動揺してしまいましたね。
この漫画、前から言っている通り、メフメトが撤退した後はヴラドをナレ死させて完結も可能な構成に出れるので、ラドゥの登場はそのフラグを折る意味でも待ち望んでいたのだが、うそだろ…もしかしたらあと3回で終わるかもだと?そんなもったいないことする!?人が没落していく様を見るのがクッソたのしー↑人間なので、むしろここからが本番だろとめっちゃ楽しみしているんだが!?(最悪な嗜好)
まあ大窪先生は今までも引きはフックを残さず綺麗に終わらせて次章へ構成だったのは理解しているので、そこに希望があると言えばあります。実際メフメトはそれで3巻までロクに現れなかったし、ラドゥも同じかもしれない。なので来月号次第だな……(震え声)
私は少なくとも6巻はほしい派なので、5巻で完結は嫌だ!認めたくない!アンケを出しましょう!!
しかし青騎士とかいう大人の事情に巻き込まれたの、ほんとマジ勘弁なんですけど(クソデカ溜息)
まあそんなメタ的な不安ばかり語るのもアレなんで本編の感想に行きましょう!
覚悟していたことですが、チェルニク兄貴をついにロストしてしまいましたね……。
弁慶的死に様でカッコよかった。しかし腕切られるシーンでうわあって声が出てしまった。丸太にされなくてよかったで……この漫画のゴア表現への信頼は厚いのでマジで危惧した瞬間がありましたねえ!
個人的にはスルタンの首を意地でも取る気概を見せてほしかったけど、チェルニク兄貴はそれ以上にマリアタに生きていてほしい人だったので、それじゃあ仕方ないねと納得したし切なかったです。兄貴は本当にマリアタのこと大好きだったよね……としみじみと語り続けられるのは嬉しいです。マリアタもチェルニク兄貴に生きていてほしい人だったから両思いだよね。チェルマリ流行るぞコレは!!
しかし今際の際に最初リナルトさんを思い出すのも切なすぎなんだ……。リナルトさんに胸を張って会いに行けますね。来るの早すぎませんか?とか言われてそう。騎士はこんなもんっすよと返してほしい。
それにしてもマリアタの逃走はどうなることかと思いましたが、普通に肩を借りて逃走していましたね。
まあお馬ちゃんには乗れんわな。でも逃走経路作ってて超えらい!!好き!!!
そしてストイカさんがお迎えしてくれましたが、主にオスマン軍の被害ってストイカさん中心で出したってことになるのだろうか。チェルニク兄貴軍はとにかくスルタンの幕舎に向かって爆進するのに忙しかっただろうし……アマルシュやるぅ!
しかし史実ガードがかかって生き残っても、チェルニク兄貴のようなカッコいい死に様を今後貰えるのだろうか、今から不安でたまらない。私の希望としては、兄弟殺しをラドゥに詰られながら死んでいってほしいんだが、性悪なラドゥを早く見たいよ!!(妄想がすぎて最悪なラドゥ像になりつつある)
メフメトはヴラドにヴァンパイアキッスされたのが余程トラウマらしくガクブルしてて可愛かった。
ヤーノシュにつけられた傷のときもこうやってガクブルしてしまったのかと思うと可愛い。
そして意地になっているメフメトに話しかけている糸目系オジサマ、マフムト・パシャってことでいいですか!?
前置きで述べたトゥルスン・ベイの本を読んだので確定的に語るんですけど、トゥルスンは大宰相マフムト・パシャの部下でワラキア遠征の記録も詳細に残しているので、二人は最初からこの遠征に参加しているんですよね。カルコンディラスしかオスマンのネームドキャラが出てこないの結構寂しかったので、マフムトとトゥルスンはやっぱりほしかったです。まあこのトゥルスン本を読まないと確信が持てないし、そもそもこれヴラドが主人公の漫画なんで、そこまで望むのは全くワガママな発言なのですが……。
だってあまりにも史実がマフムト×トゥルスンだったんだもん!マフトゥル尊い。
この糸目系オジサマがラドゥと一緒に出てきたらほぼマフムトで確定するので、はよラドゥくん連れてきてほしいです。切実に。
串刺しの林に思わず『カズィクル・ベイ!!』と逃げ出すオスマン軍もめちゃくちゃ良かったですね。
マフムト擁護以外は私情を全く覗かせないトゥルスンも思わずヴラドへの人格攻撃描写を挟んでいるほどなので、それくらい衝撃的だったと思われる。まあオスマン人も貴人は絞殺が基本なのに、一律に串刺しだからな…。そこが欧州にもオスマンにもドン引きされるし、仏様にご無体な仕打ちをする人間は古今東西嫌われるということなんだよなあ。
あの串刺しの林に人質時代にお世話になってた世話役もいるのかと思うとちょっと可哀想です。
しかし串刺しの林の中で食事シーンを見せつけるマリアタ説も読んだので、そこもちょっと期待してたんですが、メフメトを徹底的にボコボコにする鬼マリアタでなくてメフヴラ的には残念でしたね。
むしろ今思うとハンガリー使節ラヨシュにあそこまでやったマリアタが不思議になってきました。
逆説的に、マリアタはメフメトのことをそこまで嫌ってないのかもしれない……?(麻痺してるぞ)
そしてマリアタ勝利の一報に、喜ぶ面々たち。
一人だけ微妙な顔しているマーチャーシュに期待してるぞ!というかラドゥ編はマーチャーシュ編でもあるから、マジで貴方様が頑張ってくれなきゃ困ります。
メフヴラ民的にもあのラブレターが持ち出されたときのマリアタの反応をめっちゃ楽しみしているんだ!!
というわけで来月号が楽しみです…
楽しみというか我々のアンケの成果が出る勝負所なので怖いです……
普段は単行本派という方も、この機会にぜひ紙のハルタを買って、アンケートを出してくださるとめっちゃ嬉しいですね!!特にラドゥくん出てくるのめっちゃ楽しみにしてる人は頼みます!!このままではキャラデザだけ置き土産にしていく可能性も出てきたので……
大窪先生のキャラデザ好き好きマンなので私はそれだけでも嬉しいですけどね!!ははっ!!(ヤケクソ)