Game of Thrones S8-6
最速スターチャンネル勢なので、各自ネタバレに気をつけてください。
ちなみに私は原作も読んでいるので、原作とこんがらがったりしている感想かもしれません。
ついにドラマは終わってしまいましたが、この出来……
やっぱ指輪物語とそれを実写化したPJは最高だったって改めて思いましたね!!
いやー指輪物語第二紀の実写化権をHBOでなくてAmazonが獲ってくれてマジでホッとしましたね。さっすが普段からネチネチと口うるさいだけあるぜトールキン財団!!と初めて彼らの存在に感謝できました。
もちろん、今までLotR馬鹿にしてイキってたGOTファンの口封じしてくれたD&Dにもサンキューな!という気持ちしかありませんね(皮肉ですよ)(SWファンはガチで可哀想だ泣いていいぞ)
まああれですよ……全ては原作者のJRRマーティン、続きを書かなさすぎたおまえが大戦犯やぞ!!
というノリなのでご了承ください
ジョン・スノウとかいう男
全てはゴーストをハッピーエンドにする物語だったんですね~ゲーム・オブ・スローンズ
ナデナデされてるゴーストを見て、不覚にもニッコリしてしまいました。
正直この流れ……けもフレ2炎上にそっくりだ!!と4話から慄いていたので、D&Dは悪意のないクソで良かったですよ。本当に。だが万が一、ヤツらに不祥事が見つかりでもしたらHBOもお問い合わせ地獄になりますが、どうせデ○ズニーが圧倒的パワーで揉み消すに決まってるぞ。はぁ~つっかえ!
それにしてもジョンは本当に死に場所を失った可哀想なキャラですよね。
ジョン・スノウとしても、エイゴン・ターガリエンとしても、微妙な半端者エンド。シオンにもうデカい面できませんね。シオンとジョン、どうして差がついたのか…慢心、環境の違い。
束オタク的な話をしますが、ジョンって明らか『シルマリルの物語』のベレンと『指輪物語』のアラゴルンを参考にしているキャラクターだと思うのですが、その最悪のアレンジになったこの集大成ぶり……もうほんとシェイム!シェイム!シェイム!って気分になりましたよ。トールキン教授に土下座してほしい。ベレンは特に教授の投影キャラだからなあ。
夜の王をアリアに取られたせいで、もうコイツが生き返った意味は種馬的な意味しかねえなと思ったら、それすらしないってマジで何のために生き返ったの?叔母を殺すために生き返ったとかみみっちすぎるにも程があるのに、王の帰還もせず、その上なんでそれ以降も息をしているの???(辛辣な文章でスミマセン)
生き返りさえなければ私もジョンの扱いにここまで文句言ってません。生き返るからには相応の強い意味がほしいと思います。そうでなければ今まで死んでいったキャラ全てが茶番になってしまうからです。
もちろん元ネタのベレンは生き返った意味もありましたし、その彼の子孫が『指輪物語』のエルロンド卿になるわけです。そしてエルロンド卿の双子の弟の子孫がアラゴルンというわけです。つまりアラゴルンとアルウェンの結婚式は本当に中つ国の歴史の集大成なのです、ああ胸熱だなあ!
ちなみにゴーストの元ネタであるフアンは、ベレンが最初に死んだときに一緒に死んじゃったままなので、その点ではゴーストは恵まれたエンドで良かったかなと思いますが、別にジョンが褒められているわけではない。もうほんとやっちまったなロードオブザライトって感じです。もうこうなったら個人的にドンダリオン主人公で読みたかったです。あっちのが馳夫って感じもするし。
ともあれ、ロードオブザライトとホワイトウォーカー関連をなあなあで終わらしてしまったのは、本当にファンタジーとしては落第生もいいとこなので、本当に残念です。
それがスピンオフ『The Long Night』にもうちょっとだけ続くんじゃよ、と言われても、あっそ、じゃあの!ですよ。少なくとも私は。
ブランド死なせるくらいならスピンオフより本編を真面目に作り込むべきだったと思うよHBO……
デナーリスとドロゴン
デナちゃんのヴァリリア語演説はいつもカッコよくて聞くのが大好きでした。
最後までカッコよかったので、役者さんに感謝です。お疲れ様でした。
それにしても、殺し方があっさりでしたね……。
あの刺した短剣がアリアが持つ例のヴァリリア鋼のものだったら、例の約束されし王子のライトブリンガーとして相応しいですし、そもそもあの短剣が全ての争いの始まりでしたからChaos is a ladderと言ったリトルフィンガーも浮かばれる展開だったでしょう。
もちろん違いましたけど。
アリアなにしにきたん……本当に……シャドウファックスどうした……
そしてデナーリスは殺せるとしても、そのときドロゴンをどうするつもりなんだと思ってましたが、本当にご都合主義すぎて……せめてバルド的なキャラを育てておくべきだったんじゃないの?それがユーロンだったって?まあ先週死ぬ必要もなかったよね、ユーロンおじさんは。サーセイ絡みの恋愛キャラにされるより、単純にドラゴンスレイヤーとして固執しているキャラとして奮闘して死ぬほうがカッコよかったと思います。
ドロゴンがデナーリスを殺したジョンを焼かずに鉄の玉座だけ焼くシーンも悪い意味で驚きすぎて、いっそ名探偵コナンのペケポンSE流してほしかった。そうか、わかったぞ!うつむくその背中に~痛い冬が突き刺さる~♪
ジョンがドロゴンに焼き殺されて共倒れすれば、正室ターガリエンも断絶して、その後の展開も無理なく進められたと思うんですけど……それじゃゴーストがご主人とハッピーエンドになれない?そっかー、それじゃ仕方ないな!
でもドロゴンはママも兄弟も失って可哀想でしたね。デナーリスを何度も起こそうとするシーンは、丁寧な脚本であったら、相当泣けるシーンだったのでは……と思います。実際は溶かされる鉄の玉座……まさかひとつの指輪の葬り方オマージュのつもりか?とか、ママの死体を鷲掴みしたところがロード・オブ・ザ・リングとホビットで散々見たって感じで、ボブネミミッミ顔になっていた。悲しいなあ。
ともあれ、ドラゴンが全滅して伝説の時代が終わり新しい時代が始まる…的なエポックを感じたかった身としては、このオチは中途半端すぎてクソ。はっきりわかんだね。
ブランが探す気あるのかないのか発言しているのも意図がわかりません。わかりたくもないです。
ブラン・ザ・ブロークン
それが言いたいだけのオチでしたね……
ティリオンェ……おまえも死に場所を失って可哀想なキャラになっちまったな……
王を決めるのは物語だ、と言ってましたが、脚本がこのザマでは渾身のギャグにしか聞こえない。
だいたいそれでも、生き返ったという最強の物語を持つジョンが王に相応しいのでは?
謀反人だから除外しているという言い訳も、そもそもバラシオンのロバートが王になれているので、通用しないでしょう。マジで原作を忘れているアホなの???と脚本家に怒りを覚える演説でした。
しかも誰も特に対抗馬を出すわけでも賛成の嵐でチョロすぎでしょう。
もちろん戦後処理に追われる貧乏くじを引くくらいなら復興した次期王座を狙ったほうがいいという打算もあったでしょうが。つまり何もブロークンになってないでしょう!?デナーリスの権力の輪を壊すという本当の遺志も継がれたわけではないので、なにハッピーエンド風にまとめてんじゃこのドラマと呆れました。だいたいジョンもナイツウォッチ放棄してるから野人とターガリエンの血を残すに決まっているぞ。火種しかない。
サンサがちゃっかり北部独立宣言しているところだけが救いでした。これはブランが王になった今しか狙えませんからね。それでも諸侯は微妙そうな顔してましたから、これもまたあとで火種になるでしょうね。ヤーラとか特になあ……シオンの貢献も元の木阿弥にする女たちの陰険な応酬が悲しかったですよ。
そしてティリオンはブランに任命されて再び王の手へ。
私はティリオンファンですけど、特に嬉しくも何ともなかったですよ。ティリオンは私情を挟みまくって政治に向いていないとハッキリわかりましたから。早速ブロンを重要なポストにコネ採用しちゃって火種にしかならん。もう世捨て人になって初恋のティシャを探す旅に出ればよかったのに!それが原作では唯一良くしてくれたジェリオン叔父の意志も継ぐことになるし、冒険家になって本を読むだけではなく本を書ける人になればいいと思いました。
まあそこはサムの名を持つサムウェル・ターリーが持っていきましたが、故意に事実通りに書かないとか最低すぎて、赤本で殴り殺したくなりました。原作者がトールキンファンなので同志としてそのアレンジも楽しんでいた氷と炎の歌ですが、ここまで元ネタが持つ意味とは雲泥の差になっていると、コケにされているとさすがに腹も立ってきます。アリアが西に旅立つのも、スターク家が港でお別れしているのも、指輪物語のラストを表面だけ展開をなぞっているだけで、意味は特にない虚無。鼻につくだけです。原作者はともかく、おまえは中つ国の素晴らしさを何もわかっちゃいないってよくわかったぞ、D&D。本当にHBOに第二紀ドラマ実写化権が行かなくてよかったです。
話が逸れましたが、ブランが王になるなら、やっぱり夜の王戦で彼の護衛してたのはジェイミーのほうが良かったんじゃないかとつくづく残念です。もっともシオンの最期はこのシーズンで一番好きなシーンですけれどね!
キングスレイヤーの彼が、ブランの能力により汚名を完全に晴らしてもらい、その恩からブランの護衛を引き受けて今度は誰の目にもわかりやすく王も民も守った真の英雄になれた。そしてブランも己が王になる未来のためには彼に不具にしてもらうしかなかった運命だったと、一応その代償を払ったのだと納得できます。さらにそこでジェイミーが討死していれば、アリアがジェイミーの顔も手に入れられて、リスト達成のためにサーセイを最も絶望させて殺すこともできた。目の予言より殺しのリストのほうがアリアというキャラにとっては大事だったと私は思っています。
そんな感じに視聴者的にも期待していたものを全部回収できて、良いこと尽くめなだけに……。
D&Dはそれじゃ面白くないと思ったようですけど、全ては突然のアリアのために整合性が全て台無しになった。そう思うと伏線回収に徹してほしかった読者としては、本当にやりきれない気持ちになります……。
まあそんな感じでほぼ不満しかない畳み方なのですが、ブライエニーがジェイミーのページを書き足しているシーンは唯一素直に良いシーンだったなあと思いました。
あとポドリック!彼が大出世してて良かったです。彼的には縁のある人物は誰も死ななかったので、おまえこそがGOTのホビットポジションだよ、と言いたいです。
ピーター・ディンクレイジ、ありがとう
ここまで散々文句言っておいてアレですが。
ティリオンだけは本当にこの氷と炎の歌という物語でしか出会えないキャラだったので、ピーター・ディンクレイジという最高の配役で見れて本当に良かったです。
最近は脚本が崩壊している弊害を一心に受けていて、ティリオンのキャラも崩壊しかけていましたが、それでも最後まで形を保っていられたのは役者さんのおかげだと私は思います。今までありがとうございました。本当にお疲れ様でした。
思えばシーズン4のティリオンをたまたま見かけたのが、この氷と炎の歌に興味を持ったキッカケでした。あれがティリオンというキャラクターの最高のパフォーマンスでしたから当然です。家族に虐げられながらもサンサに優しくできている彼がどうにか幸せになってくれないものか、と思ったので、原作も読んで最後まで追う決心をしました。
なので、ご覧の通りドラマはクソミソに終わりましたが、私はこの作品にハマったことは後悔しません。ピーター・ディンクレイジが演じたティリオンというキャラクターは最高だったよ!とこれからも誇りを持って言えますから。本当にティリオンファンで良かったです。
だからサーセイとジェイミーがありえないくらいキレイな死体で見つかったのをツッコミつつも、それを見て崩れ落ちるティリオンにはウルっとしてしまいましたね。
家族思いではありつつも結果的に家族のほとんどを死に追いやったキャラなので、そこは悪役のラニスター家の貫禄を感じました。結局“ラニスターの中では”という条件付きで優しく見えたキャラだったということでしたね。あのラストの評議会も、自分が気に入った者たちだけで組もうとしたサーセイのことを馬鹿にできないと思います。まあ脚本の人はそこまで考えて書いてないと思うけど。
それにティリオンもジョンと同じく愛する女をことごとく全員、不幸にしましたし……と思いきや、サンサはエリザベス女王化してハッピーエンドでしたね。まあティリオンが愛していたのはデナーリスだったとかいきなりほざきやがったので、彼女はカウントされていないのかもしれません。これはマジで寝耳に水すぎてビックリしました。そもそも原作のティリオン、デナーリスとまだ会ってないから!!気づいた人は相当の恋愛マスターなんじゃないですかね……。
でも夜の王戦でのティリオン×サンサシーンは何だったのか問いかけたい。結婚したままでいるべきだったな、とか言ってたじゃん!!アレは何だったのさ!!??二股だったの!!!??まあそういう男だよと原作シェイに言われたら、そうだね!!!!!と納得するわ。しかし、そもそもこの物語の元ネタは薔薇戦争なんですよね?そう考えるとティリオン×サンサエンドは最高に収まりが良かったと思うのですが……カプ厨いい加減に諦めろですねスミマセン。
でもこれでティリオンがデナーリスに強く意見を言えなかったのも、好きな女に嫌われたくない……という感情が働いていたせいで無能だったのか、と変な意味で納得しました。まあ聞き入れてくれた意見もほとんど失策だったじゃんとは言ってやるな……哀れだから……。
それでもティリオンから女王の手バッジ投げてくれたのを見れたのはホッとしました。本当ならヴァリスの死で目が覚めてほしかったですが、自分から目が覚めただけマシだとジョンを見ていて思いました。
しかしジョンを利用するだけ利用して処刑を回避し自分だけ返り咲いたティリオンの姿には何とも言えません。
やっぱり初めての友達発言はリップサービスだったんですね……DEATH NOTEの月とLかよ。まあ原作だとタイウィン殺した後の身の振り方を考えているとき、壁なんて絶対ごめんだからドーンだな!ドーンに行こう!と考えていたキャラなので、このときからわりと薄情だとは思っていましたね。しかもジョンのことは思い出しもしなかった…モーモント総帥より印象ないのかい……と思いました。
結局、真の友達が野人のトアマンドしかいなかったんですよね。ジョンは。そこが敗因だと思いました。
まあそんな感じでラニスターに縛られ続けたティリオンが新しい家族を作る姿を見られなかったのは残念でしたけど、かねがね明るく生きていくみたいなので……まあ……
今後は原作に期待したいところですけど、頼む原作者、やっぱデナちゃんに合流するのはやめてヤンググリフと合流しなおそう?それかミアセラのいるドーンに行こう?と心底思います。
最後に
ドラマ版を散々こきおろす感想になってスミマセンでした。
それでもシーズン4まではドラマのほうが上手くまとめていたと私は思っていますし、キャラの描写もサーセイとかデナーリス辺りの原作の嫌な心情部分を覆い隠してくれていてより愛着が持てましたし、ゾンビキャトリンとかアリアの偽物とかクェンティンとか原作の無駄すぎる展開を省いたのは英断だったと思ってます。
だからここまで下手こいた最終章を出してくるとは思いませんでしたが、そもそも終わらせる気のない原作者の代わりに終わらせてくれたという点は本当に評価してます。そのおかげで我々も評価自体はできるのです。
つまり言いたいのはひとつだ。
原作者はよ書けや!!
この原作者だけは、ドラマがこんなクソミソになっても文句言う筋合いはないと私は思っています。書かなかった自分を反省しろ。これは主に原作者が招いた結果だ。
マーティンは二次創作小説も否定的なスタンスを取ってますから、そりゃファンは署名活動するしかガス抜きできないと思いますよ。まあいきなり解禁宣言しても、私はそこまでする気力も愛もなくなってしまったので……。
こんな作り手も読み手も報われない不幸な作品になってしまって悲しい。それに尽きます。
次はみんな幸せになれる作品に出会えるといいね、と願って締めます。
私のぶっちゃけた感想を毎週読んでくださった人、ありがとうございました。
次はAmazonドラマ版ロード・オブ・ザ・リングで会えたらいいですね!
個人的にはこっちが本命なので、GOTの阿鼻叫喚を見て慎重に作ってもらいたいところです。
マーティンのブログを読むと、D&D以外のもうひとりの主要脚本スタッフ(今シーズンだと2話目を書いた人ですね)が引き抜かれたみたいで一瞬不安になりましたが、束ヲタにはあのクッソ頭固い超保守派のトールキン財団が味方についているからな!!つい最近もトールキンの伝記映画に喧嘩売ってて頼もしいぜ!!トールキン財団にはしっかりドラマ監修してもらってほしいもんです。楽しみです。