メフヴラ小説書きました
ハルタ発売する前に何とか書き上げていたけど、そういやここに報告するの忘れてました。
友人Kさんからメフヴラ小説も頂いてましたが、それもここに報告するの忘れてました。
なので、サイトのほう、ぜひ遊びに来てくださいね!2つもメフヴラ小説が読めちゃいますよ!
私のは、いつもの似たような人質メフヴラ小説です。
でもなんと今回の舞台はマニサではなくイズミルです!田舎のマニサで書き続けることに限界を感じました…まあやってることはいつもと一緒なんですけど(本末転倒)
しかし初のメフメト視点に挑戦!ぴゅあぴゅあ少年だったことが発覚したからね。やっと自信を持って書けるぜと着手してみたが、めちゃめちゃ恥ずかしかったですね。思春期男子の心情を素直に書くの。ヴラドくらい枯れてるほうが性に合っています(オイ)
でもヴラドのことを内心脅威的に感じているから無自覚マウントが捗ってしまうメフメトを上手く書けたのは自分でも満足です。メフヴラそれだから破綻するしかないんですよね~~。私はそこが大好きなんですが。
そもそものテーマはモスクから始まり教会で終わるメフヴラでした。
アヤソフィアにヴラドを連れていきたいな~と妄想するメフメトくんはいつか絶対に書きてえ!とハマった当初から抱いていた野望だったので、今回念願かなって嬉しいです。
私はアヤソフィアのモザイク画も消さずにほぼそのままの形で修繕保存したメフメトがめっちゃ大好きなのですが、多分現実のメフメトは母への思いが強くてそうしたのかもしれないな~と妄想すると激エモなんですな。実母ヒュマもキリスト教徒の奴隷でしたし、もうひとりの母であるマラも言わずもがな彼にとってのマリアなんですね。
そのマラも手紙で登場させてみましたが、まあヴラドと会うタイミングはどうしても作れないので、こういう形に。
実はマラとの文通でヴラドの詩を自分の詩だと偽って送りつけてバレなくて傷つくメフメトという厄介な小説も書いていたのですが、どうしてもメフメトっぽい詩を書くのが私ごときでは不可能だったので、ボツにしてこの小説に悪魔合体させました。なのでいつもより無駄に長くなってしまったんですね…。反省!
あと実はこの人質時代メフヴラ小説、地味に春夏秋冬を巡るのが裏テーマなので、これが一応ラストになります。
なのでせっかくの海を冬に行っているわけですが、夏に行ったらコイツらどう考えても青姦するからまあええやろ!(爛れたメフヴラが大好きマンなのでそれはそれとして書きたい)
あとブラム・ストーカーのアンチのくせに海辺の教会でリスペクト要素入れましたよ。舞台はイギリスではないが、イメージはウィットビー・アビーみたいな廃教会で書きましたね。大窪先生がそれなりにドラキュラ要素描写も挟むから、それのリスペクトした、それだけなんだからね!!(なんだそのツンデレ)
そしてこれはヴラド・ドラクラに全く関係ない話なんですが、指輪物語のトールキン教授もウィットビーに旅行したことがあるらしい。やっぱりサウロンに吸血鬼っぽい要素がふんだんに取り入れられてるの、気の所為ではないんだな~。えっそうだっけ?と思った方は、シルマリルの物語も読もう!でも血を吸わないから私はしばらく全然気づかなかったですね~。もしかして吸血鬼のアイディンティティとして重要とは見なされていないのかもしれない吸血行為……と思うこの頃であった。
あと解説するところと言えば、メフメトの兄かな。
ムラトのお気に入りのアラエッティンは次兄なのだが、ヴラド・ドラクラでは長兄扱いされてしまっている…。『興亡の世界史 オスマン帝国500年の平和』という本の家系図だと、長兄アフメトが削除されているので、そのようなミスが発生してしまったものと見受けられる。これだとメフメトも三男ではなく次男になってしまうから、やっぱりおかしい家系図なんですな~~。
でも実はアフメトは二人いるっちゃいるのでややこしんですね~。
オックスフォード大学の論文がネットに転がっていたので、その家系図を引用します。
わかりやすく私がメモ書き入れてみましたが、ほんとこの家系図わかりにくいわな!
実はアフメト、アラエッティン、メフメト、アフメト、の他にもわりと息子たちがいるみたいなんだけど、夭折したせいか母も省略されているんですね。唯一例外であるオルハンは注釈を見るとメフメトの兄弟かもしれないが、存在がアヤフヤすぎて断定できないみたいだ…。隣の名もわからぬ息子もオルハンのことかもしれねえって感じみたい。
同じ論文にメフメト2世の家系図も載ってるんで、興味ある人は見に行ってドン引きするといいよ!トロフィーワイフが多すぎにも程があるんだよなあマジで……(白目)
長男アフメトの死は情報がなさすぎて謎なんですけど、その長男の母ハディスは後にムラトと再び子作りして、四男目のアフメトを産んでいます。それがメフメトが再び即位したときに風呂で溺死させられた赤子なのですが、なにか二人の尋常でない執念を感じます。もちろんそれは慣習破りにもほどがあった命なのです。そんなにメフメトというか奴隷の子に継がすのが嫌だったのか……と思ってしまいます。ハディスはムラトの嫁の中では、セルビアの姫であるマラを除くと、一番身分高い女性です。
アラエッティンの死も謎と言えば謎ですが、長男ほど情報がないわけではないです。アラエッティンはムラトの命を受けてアマスヤで処刑されたのですが、ムラトは全然それを知らなかったというのです。だからアラエッティンの死を悲しんで退位したんですね。というかアラエッティン兄ちゃん、上の図が正しければ13歳で死んでねえか…可哀想……。
アラエッティンの死で一番得をした人物と言えば、当然メフメトなので、父が辛辣な態度にならざるを得ないのは仕方ないことなのかもしれません。たとえ12歳の幼子でも、メフメトのバックについている陣営を疑うのは当然のことでしょう。アマスヤはそれまでメフメトが治めていた地だったのですが、そのアマスヤに交換配置された途端にアラエッティンは偽の命令で処刑されてしまったのです。私でも疑います。
けれど、メフメト自身はアラエッティンの一族たちに恩義を感じている人物に見受けられます。メフメトの乳母はアラエッティンの母ですから、アラエッティンとメフメトは他の兄弟たちより本当に兄弟らしく過ごしていたのではないかと私は思います。そう年も変わりませんし。少なくとも長男アフメトが死んでアラエッティンがマニサに配置されるまでは、そうして二人でアマスヤで一緒に過ごしていたのです。そしてアラエッティンが死んだ後も、メフメトはアラエッティンの母が不自由しないようにどころか裕福に暮らさせてやったようです。もちろん罪滅ぼしの可能性もありますが。
あとトゥルスン・ベイの本を読んだところ、アラエッティンの伯父カラジャ・パシャがコンスタンティノープルの陥落時にルメリ軍を率いている重要なポジションを任されていますね。これには私もビックリしたんですが、まあ伯父だからそんなもんかなあと思わなくもないんですが、思ったよりメフメトはアラエッティン陣営には恨まれていないのではないか?と思い直しましたね。
だいたいメフメトの実母ヒュマは後ろ盾が何もなさそうな身分の低い女性です。だからメフメトをすぐ取り上げられてしまったし、メフメトもほとんど覚えてないと言わしめるはめになるのです。
そうなると、アラエッティンの死は、長男アフメト陣営がかなり怪しくなるんですね~?
長男アフメトが死んでしまって、一番損をした人物はハディスです。そのままいけばヴァリデ・スルタンになれるところだったですしね。それにハディスはセルビアからやってきたマラとも折り合いが悪く、ハティスがムラトの愛を再び勝ち取ってから、マラは首都エディルネを追い出されてディメトカに追いやられています。その流れで生まれたのが四男アフメトというわけです。すごくパワフルな女性だと思わざるを得ません。そんな彼女が一番邪魔に思っていたのは、ムラトに気に入られていた次兄アラエッティンでしょう。まだそのときアフメトが生まれてないにしろ、将来のためにハディス陣営は色々と動いたのかもしれません。もしくは長男アフメトの死がアラエッティン陣営によるものと考え報復した可能性もあります。
そしてマラがその時点でどこまでメフメトを我が子として愛していたかわかりませんが、少なくともメフメトとマラの二人はその時点で敵が一致していたわけです。それで十分なのではないでしょうか。
まあそんなわけで、運良くムラトが急逝した結果、メフメトは赤子のアフメトが真の脅威になる前に即位できたのですね。でもさすがに赤子をぶっ殺したのは罪悪感だったのかもしれなく、俺は無罪だから…という法律まで作っちまったわけだと妄想しますね。
あとザガノス・パシャですが、家系図を見る通り、ムラトの娘と結婚してたので、実はメフメトの叔父さんになります。あとで自分の娘をメフメトに嫁がせてるから義父にもなります。たまげたなあ、こいつぁ世渡り上手だぜ!!
でもメフメトのほうはあんまりザガノスに好意的には見えません。実はマニサ時代でも途中で首にしてシェハーベッティンと交代させたり、コンスタンティノープル陥落後も他の人に大宰相やらせたかったらしいんですけど、当初やらせたかったウレマー層ギュラーニーが
「宮廷に仕える従僕たちが,御前会議の主宰者の座につくことを切望し,日夜,誠心誠意仕えている。それにもかかわらず,宰相の地位をそれ以外の者に与えると,彼らは傷つき,奉仕において弛緩が生じるので,宰相職を宮廷奴隷に与えるべきである」
と言って辞退したので、せやなと思ったメフメトはザガノスを任命したのであった。
その後はベオグラードの失態を機に、マフムト・パシャが出世して大宰相になったわけですね。
なので結構ザガノスはいいように使われてる人物ではあるのですね。そこそこ優秀だったけど信は置けない感じだったのかなあ。
私の小説ではヴラドにめちゃくちゃやってるムカつく人物に描いちゃって申し訳ないなと思ってんですが、現実でもわりと不必要な住民虐殺もしてて一時期解雇されたりもしてるんで、まあそう間違っちゃいないのかもしれない(投げやり)
まあなんといっても奴隷出身なんで性格が荒んでしまうのは仕方ないことなのかもしれませんね…。
西欧より比較的人権もあって将来も約束されしオスマンの奴隷制度ですが、それでも奴隷制は悪ですぞとは思ってますね。みんな人権は大切にしようね。
トゥルスン・ベイの本を読み終わったら、それも記事にしたいですね。
それでは今回はこの辺りで。